移転のお知らせ

http://anotherpedal.hatenablog.com/

↑有安さんがブログを閉鎖して新しいSNSを始められたので、私も心機一転という感じで新しいブログを始めました。


自己満足のメモばかりでしたが、それでも読んでくださったり、読者登録をしてくださったり、はてなスターをつけてくださったり、ツイッター等で感想を書いてくださったりした皆様には感謝しかありません。本当に嬉しかったです。おかげさまでももクロ時代の有安さんを楽しく応援することができました。

これからは有安さんの新たな人生を応援していきます。続くか分かりませんし、面白いかも分かりませんが、機会があれば新ブログも覗いてみてください。このブログも残します。ありがとうございました!

メモ2

ゆく桃くる桃。三回目にして初めてチケットが当たり現地参戦を果たした。

パシフィコ付近に着くも隣接する福山雅治カウコンの波に流されタイムロス。気を取り直して国立大ホールへ。夜の海がとても綺麗だった。大晦日に海を見るのは生まれて初めてだった。

建物の入り口でチケットを発行して衝撃を受けた。私としては今まで見たこともないほど"良席"らしき数字が印刷されている。

しかしはちみつロケットの歌声が聴こえてきてハッとなり走った。目当てにしていたのに出遅れてしまったが、なんとかロビーでのはちロケライブを鑑賞。
推しの公野舞華さんはショートカットになってから初めて見たけれど美しすぎた。見惚れているうちにライブはすぐ終わってしまった。

そのあとコアラモード.さんのライブを観て、コアラモード.さんの音を聴きながらトイレで化粧をして、それから戻って栗本柚希さんの歌を聴いた。
飛梅」「WINDING ROAD」はかつて推しの杏果が、「Chandelier」はかつて推しのぁぃぁぃが歌った思い出の歌だから変な気持ちになったが二人とはまた違った魅力を放つ歌声に圧倒された。栗本さんはとても楽しそうな顔で歌うのが良い。
書き下ろしたという新曲はスマホで撮影しながら聴いた。歌詞が凄い。栗本さんの魂の歌唱と、演奏が終わった瞬間の大喝采に心が震えた。
最後は出演者全員で英語の歌を。ロビーでステージを観ていた全員の心がひとつになった気がした。音楽は温かいと思った。

最後の最後までは見届けることが出来ず、早足でホールへ。想像以上に近い席でおののいた。ステージを眺め、会場の雰囲気を味わいながら、これはもっと早くから座って長く味わっておくべきだったと悟ってしまったが、ロビーでのライブは観て良かったわけだし、仕方がないから大急ぎで心の準備をした。

あれだけ楽しみにしていたゆく桃くる桃がもう始まってしまうという実感がいまいち持てないまま映像が始まってしまった。
あれよあれよのうちに金色の衣装を纏った__2013年の紅白を彷彿とさせる__ももクロちゃんが登場。
ももクロちゃんがいる。胸はときめいているが、家族と年越しをするくらい自然な感触もあった。

そこからはひたすら豪華で楽しい歌合戦だった。紅白を生で観るとこういう感覚なのか、と思った。目の前で展開されているのはテレビだけれど、臨場感がテレビの比ではない。
放送されているため内容は割愛するが、テンションの上がる場面が沢山あった。ももクロちゃんも沢山観られて嬉しかった。
中盤、恋愛レボリューションを踊るあーりんが素晴らしすぎて釘付けになったのを覚えている。その余韻に浸っていると、米良美一さんとTeddyLoidさんによる「もののけ姫 2018 feat.米良美一」の番になった。

もののけ姫2018は聴かないままこの日を迎えたが、原曲のもののけ姫は元々かなり好きな歌だった。かつてスターダストで活躍していたバンド「カスタマイZ」がカバーをしていたこともあり若干思い入れがある。杏果に歌ってもらいたい歌の一つでもあった。
「Neo STARGATE」や「Grenade feat.佐々木彩夏」の信者としてTeddyLoidさんは大好きだ。米良美一さんは初めて拝見する。

そういうわけでグッと構えて見守った。赤い服を着た米良さんには神聖な存在感があり、Teddyさんの黒い服は飾りがキラキラして綺麗だった。
Teddyさんのサウンドは第一音からかっこよすぎて、米良さんは第一声から素晴らしい歌声で、なんだか泣きそうになる。杏果ちゃんが出てきて一緒に歌ってくれればいいのにと思った。

二人を凝視していたら、緑色の傘を差した女性が左端から登場したのが視界の隅に見えた。それまでの演目でも本家紅白のように踊り子さんが登場する場面があったから、この曲でもあるんだ、たしかに和風だけどテクノだから意外だな、なんて感じつつあまり気に留めなかった。二人を見るのに夢中になっていた。実はこの演目は「もののけ姫 2018 feat.米良美一 with X」と発表されていたのだが、「with X」という字が記憶から完全に抜けていた。
だんだん傘の人が二人に近づいてくる。黒い服の女性だ。やがて彼女は傘を床に置き、髪に隠れたままの顔がビジョンに映し出された。
その時、松本明子さんの出番で3B juniorのメンバーが登場したことを思い出し、大人っぽすぎるけれど3Bの可能性もあるな、と頭によぎったため、米良さんから視線を外して上方のビジョンに注目した。

"彼女"が顔を上げる。

・・・

誰だ?とほんの一瞬だけ思った。やはり知らない踊り子さんだったか?
違う。
杏果・・・。
心臓が止まりそうになった。
急いで視線をビジョンから下ろした。
黒いスカートを振り乱し、杏果は舞う。

もうそこからは言葉にしてはいけない。言葉にはならない。

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というのが、1月1日に書き残して1月29日の今日少し修正したメモなのだが、やはり言葉にしなければならないはずだった。

元旦から数日経ったころ、躊躇いながらもようやく録画を観てみたら、予想以上に杏果のダンスが映っていない。スイッチングを繰り返しながら杏果と米良さんの表情をきちんと映し出すカメラワークは映像としては良いのだが、現地の空気の中で杏果のダンスを肉眼で丸々追い続けたあの時間ほどの感動は生まれなかった。それは当然のことだけれど、それでもあの映像のみで杏果が絶賛されている様子をSNS上で見るとなんだか悔しかった。あんなもんじゃなかった。もっと凄かったのに。

けれどそれを言葉にする術があるだろうか?
今はもうここにないダンスを、ダンスのことなど分からない私が無理やり言葉に閉じ込めたりして、何が楽しいのだろうか。有安杏果の芸術を矮小化して捻じ曲げてまで伝える意味はない。
TeddyLoid・米良美一有安杏果の「もののけ姫」は確かにこの世界に在った。私はたまたまパシフィコの前方でそれを目撃した。それだけでいいじゃないか。一回性の芸術とはそういうものなのだから・・・。

メモ

こんなに苦しいのは7月2日ぶりだろうか。幕が上がるの舞台を観た翌日にも似ている。脳が真っ白になって、ぐちゃぐちゃになって、なにをどうすればいいか分からない。でも逃げずに、気を紛らわすことなくこの苦しみを味わい尽くす。薄れてしまう前に。こうしている間にも記憶はどんどん遠のいていく。黒いワンピース、緑の傘、光に照らされる指先。思い出そうとすればするほど思い出せなくなっていく。でも私はそこにいて、私の目はそれを捉えていた。呼吸がおかしくなったこと、動けなくなったこと、もう帰ろうかと思ったこと、帰りの電車で延々と一曲を聴いていたこと、そういう私の身体に起きたことは覚えている。感想とか気持ちとか形のある感触はないけれど、一切言語化できない領域だけれど、でもまだ分かっている。感じている。それが全てだ。今はそれを感じ続ける。今まで見た何よりも、どんなステージ、どんな芸術、どんな景色よりも美しかった。もうオタクなんてやめたい。何もかもどうでもいい。元日がどうした。新年がどうした。私の過去は全部消えてしまって真っさらな土地に立たされているような気分だ。或いは深い森の入り口に置き去りにされたような。何も分からない。この文章も嘘に見える。どうすればいい?

富士見へ緑を飾る〜富士見市PR大使トークイベント〜

富士見市PR大使トークイベントに行ってきた。

だいぶ前から決まっていたこのイベント、杏果も参加するらしいと噂で聞いた日から長いこと楽しみにしてきた。
昨年5月1日に同じ「キラリ☆ふじみ」でPR大使委嘱式が行われ、私はその第2部となる「幕が上がる」トークショーに参加した。杏果の過去と今を繋ぐような非常に素敵なイベントで、あれは忘れられない。

あの日ぶりのキラリ☆ふじみ、どこか神聖な気持ちで足を踏み入れた。
まずはPR大使写真展で大使の方々が撮った富士見市の写真を鑑賞。どなたの写真も愛に溢れていて素敵だった。
杏果が撮った作品はあいにく無いのだけれど、代わりに富士見市を訪問したときの杏果&れにちゃんの写真と、今年4月に富士見市で行われたももクロ春の一大事の写真がたくさん展示されていた。

埋め尽くされる客席の写真、幻想的なペンライトの写真、ウエディングドレス衣装での「『Z』の誓い」の最後のZポーズの写真、ももクロの集合写真など素晴らしい写真が並んでいた。おそらく富士見市占有の写真で、私はほとんど見たことがなかった。
展示の最後の方、ライブ中の杏果にフォーカスを当てた写真が何点か並んでいてそれがすごく良かった。ニュースサイトでもファンクラブのフォトリポでもライブパンフレットでも、なかなかああいう写真群を見ることはない。ももクロのライブを写した写真なのだけれどどれもこれも杏果が主役になっているのだ。
ももクロのライブで輝く杏果は美しい。まるで我々杏果推しの目線で世界が切り取られているようで感動した。

写真の鑑賞を終え、トークイベントが行われるホールに入場した。「近!」「狭!」と驚く声が聞こえてくる。四日前にももクロを見たさいたまスーパーアリーナの感覚が残っているため、確かに信じられないほど小さく思えた。
あの日と変わらない綺麗なホールを眺めながら始まりを待った。ここで歌いたいと言った杏果を思い出す。やはりここで歌を聴きたいと思い、アンケートの「今後やってほしいイベント」欄に書いておいた。

ついにブザーが鳴り、照明が落ちる。ホールを埋め尽くす人々の視線がステージに注がれた。
まず登場したのはお馴染み山本昇さん。初っ端からガンガン飛ばして面白い。
なんといきなり一人ゲストを呼ぶという。オープニングイベントということでもしかしたらと思ってはいたが、本当にももいろクローバーZ有安杏果さんが呼ばれた。
心の準備が間に合わない中、ステージ袖から登場したのは紛れもなく本物の杏果だった。本当にそこにいる。春の一大事で着ていた笑顔をモチーフにした衣装がキラッキラキラッキラ輝いて眩しいくらいで、もうそれだけで泣きそうになる。ももクリから四日ぶりに会えたわけだけれど、アリーナとは全く違う距離感だからもっと切実に「会えた」気がして嬉しさと安心感が込み上げた。

杏果も登場したところで、春の一大事の映像を見ることになった。以前「幕が上がる」を上映した立派なスクリーンだ。機材トラブルなのかしばらく再生されなかったのだが、二人が自然に楽しく間を持たせていて流石だった。
Day1の市長の宣言・overture・words of the mindを見ながら二人がコメントしていく。普段自分の映像は恥ずかしいから一人で見るという杏果は照れながらも色々な話を聞かせてくれた。スカートについている桜の飾りは直前まで作っていたからリハの時は三つくらいしかなかったとか、富士見市で手袋をはめるのは気持ち良かったとか。
会場の前方ブロックは富士見市民の枠で、モノノフではなさそうな方々もかなりいる。場内には市の関係者もいるだろうし、他のゲストのファンもいる。そんな中でももクロのライブ、しかもワーズの鑑賞会が行われている。ささやかな規模かもしれないが、モノノフなら誰もが夢見るシチュエーションが叶っていた。

髪の長い杏果が、杏果推し的にはワーズ最大の見せ場であるBメロを歌い上げる。1番のBメロは昇さんが話し始めて遮られたが、2番のBメロでは二人とも黙って画面を見つめていた。
(※イメージ図)

鋭い目つきで堂々と歌を響かせる杏果が大きなスクリーンに映し出されている。その下に小さな杏果がいて過去の自分を見上げている。
髪の長さも纏うオーラも全く違う二人は別人だとしか思えなくて不思議だったけれど、同一人物だと分かっているからこそ妙に胸を打たれる光景だった。小さな杏果は大きな杏果を見ながら何を想っていたのか。
そしてこの時“なにも染まらない二人のcrystal light”の完璧なビブラートがキラリ☆ふじみに響いたことが嬉しくて誇らしくて仕方がなかった。

贅沢な鑑賞会が終わり、市のPRイベントに移行した。

トップバッターを務めるのはキッズダンサーのひまわりキッズ。なんとそのチームの先生は杏果が昔ダンスを教わっていた先生で、ついさっき舞台袖にて再会を果たしたのだそう。しかも当時の杏果もこの舞台で踊ったのだ。いくら杏果でも出来すぎている。呆れるほどの物語性に早くも泣きそうになった。
杏果はキッズダンサーのために「盛り上がる準備できてる!?」\イエーイ!/「そんなもんじゃないでしょ!盛り上がる準備できてる!?」\イエーイ!!!/という感じで会場を煽ってからステージを去った。本当に優しい人だ。

キッズダンサーという響きだけで昔の杏果を重ねてしまうのに、当時の杏果と同じ人に教わり同じ舞台に立つ子達だなんて、もう、昔の杏果がそこにいるも同然だった。
深すぎる感慨に耽りながらも、まあそれはそれとして目の前のダンサーたちのダンスを楽しんだ。

でも見つけてしまった。

会場の隅に凛と佇み、まっすぐステージを見つめる人がいた。
微笑みながらダンスを眺め、うんうんと小さく頷くような姿を見て涙を堪え切れなくなった。
杏果から受け継がれたバトンを手にする子供たちを、杏果が見守っている。あまりにも美しい光景だった。
かつてあの子たちと同じ緊張を味わい、同じように踊り、同じ景色を見ていた。そんな杏果がひまわりキッズを見ながら抱いていた気持ちは、どんな気持ちであったにせよ、キラリ☆ふじみで踊る幼い杏果にも遠く響くようにして届いたんじゃないかと思う。

ひまわりキッズのダンスは、年齢が近い数人ずつの組に分かれて四曲披露されたがどこも良かった。目を惹く子はやはりいるのだが全体を楽しめた。女の子が多い中で男の子も輝いているのが印象的だった。杏果は三曲目まで見届けて静かに会場を去った。
その後、空手の小杉さんが静寂と緊迫感の中で圧巻の形を魅せ、よさこいの勇舞会さんが迫力ある和の世界を作り上げた。モノノフだらけの会場だから桃神祭や夏バカの気分になりつつ、とても引き込まれた。人間の動作に宿る生命は気高い輝きを放つ。素晴らしいものを見せてもらった。

休憩を挟み、第2部のPR大使トークイベントが始まった。司会は再び昇さんだ。
我らが杏果さん、芸人の板倉さん、プロ野球選手の今成さん、気象キャスターの千種さん、平田のオリザさんという順で、昇さんに紹介されながら五人が登場した。
昇さんが杏果を「女優としても活躍が知られる...」と紹介した際笑いが起きていた。オリザさんの存在で幕が上がるの文脈が強い場だから間違ってはいないけれど、音楽以外が挙がると想定外すぎて笑えてしまう。

まずは順々に自己紹介をしていく。
杏果は、委嘱式ではいなかったメンバーもそろって嬉しいと喜びつつ「普段メンバー五人で一緒なので今日は一人で心細いんですけど・・・」と洩らした。すかさず板倉さんが「今日も五人いるよ」とグループを結成すると杏果は「心強い」と言い直して笑った。かわいい。
登場も自己紹介も杏果が最初であったことに板倉さんは「やりづらいから最後にしてくれませんかね!?」とぼやいていた。そんな板倉さんは自己紹介ということを忘れておそらくは次のコーナーで言うはずだった富士見市の好きなところを語ってしまい杏果に大笑いされていた。板倉さんは登場した瞬間から面白かったけれど杏果との相性も良さそうで、この五人組の行く末が俄然楽しみになった。

また、杏果の横には書記の方の手元を中継したモニターがあり、板倉さんの発言が文字で書き残されていく面白さを杏果が指摘すると爆笑が起こった。杏果はその後もずっとモニターを気にしており、このくだりは度々笑いを誘うものになるのだが、笑いを引き出しつつ書記の方にもスポットを当てた杏果は良い人だと思う。

このトークイベントはいくつかの企画を設けて進められるようで、最初は富士見市の好きなところをアピールするコーナーになった。板倉さんは頭を抱えていた。
舞台中央に立って一人ずつスピーチをするのだが、なかなか順番が決まらない。言うことがなくなりそうな最後は避けたいという雰囲気の中、板倉さんは半分ボケのような感じで杏果に最後を押し付けようとした。登場と自己紹介で二回最初だったから、と。
しかし杏果は一瞬ためらうポーズを見せてから快諾した。やります!最後で大丈夫です!と笑顔を見せる杏果に皆が驚く。あの時の杏果の頼もしさは凄かった。かっこいい・・・と声が漏れそうになるくらい、我々の姫は勇ましかった。

シュッとしてるから、という理由でトップバッターに選ばれた千種さんは、富士見市からは富士山が見えるだけでなく空を広く見渡せるのが良いと語った。雲や星や虹色現象のことを熱心に語り、結局空についてのPRのようになり面白かった。
続く板倉さんはもう言うことがない中、東京に住んでも結局サバイバルゲーム富士見市に来るから結局富士見市に住んでいた方がいいと苦し紛れに語った。
3番今成選手はあまり思いつかなかったのか、空も見えるし・・・サバゲーも出来るし・・・と二人の発言を拝借していて面白かった。
オリザさんはあくまでコメンテーターということで、次はいよいよ杏果だ。なんとなくボケが三回続いたような格好になりゆるい雰囲気が漂う中、マイクスタンドの前に立つ。

杏果が話し始めた瞬間、スッと空気が変わった。ボケの連鎖に呑まれることなく、杏果らしい自然な話し方で杏果のターンに切り替えていた。親しい人に語りかけるような“ももかたり”の雰囲気でニコニコ話す杏果は多分皆の心をキュンとあたためていた。
昔の自分にはサティが全てだったけれど、今はららぽーとがある。東京へ行くには東武東上線で池袋に出なければ話が始まらなかったけれど、今は副都心線で便利に移動できる。空も富士山も見えて、住むのに良い街だけれど、これからはもっと“遊びに来る街”になってほしい。いろんな施設が出来て、もっと富士見市の魅力を知ってもらえたら・・・と、最後は未来への願いで締めた杏果は誰がどう見ても立派なPR大使だった。
最年少の杏果が一番まともに話して流れををまとめたことに皆さん驚いていた。杏果はまるであの舞台の座長のようだった。客席の大半が自分のファンである状況は普通やりづらさもあるはずだけれど、動じることなく堂々と振る舞う杏果は本当にかっこよかった。

とはいえコメンテーターのオリザさんは、総じてPRするところがないという結論を出し苦笑いしていた。板倉さんは、なにもないからこそ他県民と争わない雰囲気が富士見市民や埼玉県民にはあって好きだと言い、私は埼玉県民として共感できて嬉しかった。

昇さんがマイクスタンドを片付け、富士見市で過ごした小中学生時代の思い出を語るコーナーに入った。最初に話すのが杏果か板倉さんかでじゃんけんをして板倉さんが勝ったものの、勝った方が先なのか後なのか決めてなかった!と焦る杏果に笑いが起こった。勝ったから選んでください!と言われて板倉さんは先を選んだのだが、このコンビのやり取りには妙な面白さがありハマる。
板倉さんが強烈な爆笑武勇伝を披露したあと、杏果は富士見市に住んでいた小学四年生までの思い出を語った。学校と家が近すぎて寄り道のしようがなく、駄菓子屋さんなどに寄り道することに憧れていたと言う。近所のエアロビやダンスのスタジオに三つ通い、家にランドセルを置いたらすぐオーディションやレッスンへ向かう毎日。駅ビルの文房具店「フィガロ」が好きで、ママに欲しい文房具を見せると「今度のオーディションに受かったらね」と言われて「頑張ろう!」という気持ちになったそうだ。心温まるエピソードに昇さんが拍手を煽った。杏果の富士見時代の話は色々聞いていたけれど、これは初めて聞く話で嬉しかった。

千種さんと今成さんは同級生時代のエピソードを明かした。このコンビも面白い。
オリザさんは、このキラリ☆ふじみを作ったことで富士見市は子供たちにとって良い環境になった、と言う。オリザさんがいなければ幼い杏果の表現の場も限られていたかもしれないと思うとオリザさん万歳だ。

続いて行われたのは、富士見市の場所やものをジェスチャーで伝えるゲーム。オリザさんがいることでオーディションのような空気になりながらも、各自思い思いのジェスチャーで思い出の場所を伝えた。
今成さんは延々と続く見事なお芝居でららぽーとを伝え、千種さんは地元のお客さんにはすぐ分かるようなジェスチャー貝塚公園を表し、板倉さんはむさし野緑地公園を演じたものの「SL広場みたいなやつ」と曖昧に当てた千種さんにモヤっとした様子を見せて笑いを巻き起こした。
トリは杏果だ。杏果が立つ。かわいい。始まりに手間取って笑いながら仕切り直す。かわいい。どこかに足を踏み入れる。かわいい。しゃがんでどこかを眺め、なにかを指差して選ぶ。ここでああ〜と声が上がったけれど私はかわいさに見惚れており分からなかった。なにかを受け取り、どこかへ向かう。なにか包みを開けるような動作をし、ニコニコしながら食べ始めた。かわいい。そこでやっと分かったけれど、杏果の思い出のケーキ屋さん「ブールセック」だ。
舞台上では昇さんしか知らないであろうお店をあの場で選ぶのは予想外だったけれど、自分にとっての富士見市の名所を素直に選んで表現した杏果は良いなあ〜と思う。「勝ちに来ました」という、モノノフとの連帯感を誇るような言葉も嬉しかった。
いちごのタルトをママと半分こして食べていたお話は久々に聞いたけれど胸に来るものがある。あのタルトは何度か食べたがとても小さくてかわいらしいサイズなのだ。

続いてのトークテーマは、富士見市を出た今だから思う富士見市の良いところ、だ。これが最後のコーナーになった。
板倉さんは、東京にはサバゲーの道具を塗装するスペースがない(からルミネの屋上で美術さんに紛れてやっている)けれどここにはあると羨ましがって笑いを誘い、千種さんは東武東上線の車窓から見える富士山の美しさを挙げ、今成さんは空気入れをタダでやってくれる近所の自転車屋をおすすめしていた。

杏果は、東京では欲しいものがすぐ手に入ると言う。富士見市に住んでいた頃は、たまごっちが発売しても流通量が少なくて全然買えないような状況だったらしい。
けれども、欲しいものがなかなか手に入らないからこそ、手に入れたものを大切にできるのだと杏果は言った。お母さんお父さんの負担も減るし教育に良い!と笑ってまとめていたけれど、杏果の言葉はジンと響いた。
高価な楽器やカメラ、プレゼントや記念の品だけでなく、ちょっとした小物や、些細なものごとや、思い出、人、景色、感情、日付に至るまでなにもかもを大切にする有安杏果という人が「なかなか手に入らないからこそ大切にできる」と教えてくれるのは非常に重みがある。
ひとつの文房具を買ってもらうためにがんばったこと、ご褒美のいちごタルトを半分こして食べたこと、東京と違っておもちゃが簡単に手に入らなかったこと、むしろそれらがルーツとなって杏果の丁寧な気質が育まれたのかもしれない。
大切なものを増やしながら歩んできた道の果て、杏果はPR大使としてふるさとに帰ってきた。そこで伝えられた杏果の言葉を大切に覚えておきたい。
また、三人の挙げたスポットは写真を撮るのにもピッタリ!と、杏果らしい視点で流れをまとめたのも見事だった。

イベントは終わりに近づき、客席から質問を受け付けることになった。
前回の「幕が上がる」トークショーでは杏果の小学校の同級生のお母さんが手を挙げ、当時運動会のダンスで輝いていた杏果の現在の飛躍ぶりを喜ぶという感動の場面があった。
今回はどうなるかと思っていたら、いきなり板倉さんが「彼のことはちょっと・・・」と謹慎中の相方に触れ、ブラックな笑いを起こした。
実際に受け付けられた質問は「夢を叶えるにはどうしたらいいか」。モノノフさんなのだろうか、杏果にぴったりな質問でドキッとした。
気象キャスターの千種さんは、自分が今できることよりも少し上のタスクをコツコツこなして積み重ねていく、という旨を語り、野球選手の今成さんは「なりたい」ではなく「なる」と言えばそこから逆算してやることが見えてくると言った。
インパルスの板倉さんは、芸人になりたいという思いを持ったままではテレビを見ても素直に楽しめなくなると思い、後悔しないためにお笑いをやってみたらこんな感じになった(上手くいった、成功したとは頑なに言わないのが面白かった)のだと言う。また、野球選手や総理大臣のような大きな夢だけが夢であるかのような風潮が人々を苦しめているのであり、飼いたい犬種や乗りたい車を夢として掲げればいいと語る。そのような夢から逆算すればやるべきことが分かり、努力ができる。
でも、積み上げた努力は一瞬で消えてしまう!積み重ねたトランプタワーのように脆く崩れてしまう!そんな板倉さんの魂の叫びがこれまでの流れをひっくり返し、場内が異様な笑いに包まれた。

笑いの余韻が残る中、この後はやりづらい、どうしようと杏果は笑った。客席のモノノフ全員が知っている通り、杏果は「努力は裏切らない」の象徴的存在だ。
どう切り出すのかと思っていたら、杏果は「私は努力は裏切らないと思ってやってきたので・・・そういう人生もあるんだなあって」と素直な感想を口にし、大爆笑を巻き起こした。
とはいえ気を取り直し、ブレない想いを杏果らしく語ってくれた。夢を叶えるためには、信念を持って努力を重ねること。目の前にある小さな目標を一つずつ超えていったら、叶えたかった夢に辿り着くはず。杏果が身を以て実践してきたことをまっすぐ伝えてくれた。

そしてもう一つ大切なことを教えてくれた。この日一番私の心に沁みたメッセージだ。
それは、自分の夢を、自分のやっていることを好きになることがなによりも大事だ、ということ。本当に自分が好きだと思ってやっていることじゃないと、お客さんには伝わらない。例えば服も、本当に好きで良いと思ってデザインしたものだからこそ、誰かに良いな好きだなと思ってもらえる。だから自分の作るもの、やっていることを好きになるのが一番。杏果はやさしく微笑みながら語った。
いやもう、涙が出そうだった。私が杏果の作るもの魅せるものを好きだと思えるのは、そこに杏果自身の「好き」が込められているからだよ。
あれだけ自分の音楽を愛する人が、自分の仕事を好きになることの大切さを真摯に伝えてくれたら、もう“分かる”しかない。お客さんへのアンサーとして、自分の人生から湧き出た一番大切なメッセージを堂々と放つ杏果、かっこよすぎる。どうしてあんなにも心に残る言葉を紡げるのだろう。どうか未来の私もあの時の杏果の声を忘れないでほしい。

質問コーナーが終わり、一人ずつ最後の挨拶をすることになった。本当にあっという間だ。
千種さんは、いつもは原稿を読む仕事だからフリートークは難しかったけれど、聞き手として一緒に楽しませてもらったと笑顔で言った。今成さんは、なかなか帰って来られないけれど、野球で活躍することが富士見市への貢献になると強く語った。イベントを通して自虐的な発言が印象的だった板倉さんも、まだまだ終わらない、這い上がると宣言し場内を沸かせた。声援を受けた板倉さんは「今日すごい思ったけどアイドルのファンっていいヤツだよね」と言ってくれたけれど、モノノフこそ「板倉さんっていいヤツだよね」と思ったに違いない。私は大好きになった。
杏果は前回いなかった板倉さんとの共演を喜び、実は本番前に板倉さんのマイクが緑で杏果のマイクがオレンジだったのを交換してもらったのだと明かした。板倉さんによれば、ファンの人に射殺されると思ったらしい。
杏果は、ふるさとは帰るとあったかい気持ちになる場所だから、富士見市以外でも皆それぞれのふるさとを大切にしてください!と、素晴らしい言葉を届けてくれた。
オリザさんは、富士見市のアピールポイントは結局ないけれどこの素晴らしい人たちが魅力なのだと結論を出した。

その後、客席を背景にした写真撮影が行われた。杏果がセンターに移り、「富士見市大好きだーZ!」の掛け声でZポーズの写真を撮る。千種さんと板倉さんに挟まれて立つ杏果はとても小さく見えて、あの頼もしい杏果はそういえばこんなに小さい人だったのか、と不思議な愛おしさが湧いた。途中で昇さんと市長が加わり、市長は迫力の市長ボイスで「富士見市大好きだーZ!」を叫んでくれた。

最後は幕が降りてくるまで、皆で手を振ってくれた。楽しかっただけに別れはとてつもなく惜しかったけれど、杏果は幕が降りきるギリギリまで身を屈めて笑顔を見せてくれた。

温かな余韻と少しの寂しさを残してホールを後にし、キラリ☆ふじみを出た。信じられないほどスッキリとした清々しい気分だった。と同時にホワホワと幸福に満たされていた。
そんな私の心地も、目に映る空の美しさも、去年の5月1日のトークショーの後とそっくりで驚いた。
夕暮れ空が色を変えていく様はとても綺麗で、「心の旋律」の「もうすぐ空はピンク色」「変幻自在な空に憧れ」という歌詞がぴったりだった。
そして千種さんの「富士見市は空を広く見渡せる場所が多くて好き」という言葉を思い出し、こういうことか、と思った。

本当に、楽しくて温かい最高のイベントだった。想像を遥かに超える面白さで、たくさん笑った。出演者全員が好きになり、富士見市のこともますます好きになった。

杏果は最初から最後までかわいくて愛嬌があった。キラリ☆ふじみの名を象徴するように衣装が終始きらめいていた。イベントの途中、あえなく会場を出ていくモノノフさんに気づいて小さく手を振っていた杏果の「ありがとう」という表情が忘れられない。
なにより彼女の素晴らしい活躍に心を打たれた。
コーナーは事前に知らされていたようだが、やはり杏果は準備が出来る仕事ではずば抜けた成果を出す人だ。共演者が何度も驚いたように、常にしっかりと芯のある言葉を放ち場をまとめていた。杏果は今回の五人組における百田夏菜子だった。
でもそれだけでなく、杏果はコーナーの発言以外の時間もずっとファインプレー連発で楽しませてくれた。他の人へのツッコミやかけあいやちょっとしたコメントなどなど、とにかく存在感がすごい。大人数での即興トークといえば杏果の苦手分野として知られていたはずだが、本当に本当に成長されたのだと思う。
あの質問返しも即興なのにココロノセンリツのトークのような厚みがあった。それはタレント性を超えて杏果の人格が成せる業だけれど、ココロノセンリツで大きな会場に立って話した経験は確実に生きていると思う。
今回は、司会がいつもの山本昇さんで、いつもの平田オリザさんもいて、場のキーマンとなる芸人の板倉さんがとにかく上手で、千種さんも今成さんも優しくして、ソロ仕事とはいえ杏果が最大限リラックスできる場だったことも大きい。それに、富士見市で幼少期を過ごした人たちの中で富士見市トークをするのは楽しかったと思う。関西弁でマイペースに話す杏果らしい杏果がああいう公的な場で見られるのはすごく嬉しかった。

このトークイベントは杏果の仕事として大いに評価されてほしい。あの場に川上さんがいて本当に良かった。
一方で、そういうタレントとしての評価など小さく思えるくらい、杏果の人生の美しさを全身に浴びた一日だった。
杏果が富士見市を通して紡いでいくストーリーが本当に好きだ。自分の足跡を愛おしむように辿る杏果が好きだ。過去を輝かせる、というか、過去をあたためる杏果の生き様が好きだ。
どこまでも透き通る杏果の物語に触れるたび、心が浄化される。温かなものが溢れる。杏果を好きになれた自分を誇らしく思う。決して追いつけないけれど好きでいたいと思う。

この気持ちを何度も感じてきた富士見市という場所も、もう自分のふるさとのように好きになってしまった。
PR大使の任期が終わることを考えたら今から寂しくてたまらない。またあのメンバーのトークを見たい、杏果と富士見市で会いたい。
でも、杏果がPR大使ではなくなっても私は何度でも富士見市へ遊びに行く。

ふじみ野駅への帰り道、杏果が作詞した曲を聴くといつもと違った響きを感じてたまらない気持ちになった。特に「ハムスター」の2番でハッとした。

時は流れひとつふたつ記憶が
にじんで拡がる
心のキャンパスの上で
混ざり合って異色な色が巡る
主張し続ける
ほら抽象画みたいに

誰かの目をひくわけじゃないけど
自分しか出せない色がそこにはある

これを書いた杏果の気持ちが以前よりも分かった気がした。

ふじみ野駅に着き、電車に乗る前に杏果が好きだったという「フィガロ」に寄った。
小さくてかわいい文房具屋さんだった。幼い杏果がここで文房具を選んでいたのだと思うと愛しさが溢れた。ここもまた来たい。

2017年12月17日、本当に良い一日だった。人生最良の一日群に入る。
ただ一点だけ曇りはあった。開場前、つけてきたはずの「ハートでつながるブレスレット」をなくしたことに気付いたのだ。ベルトが緩いから注意していたはずなのに、何もない手首を触った瞬間頭が真っ白になった。

杏果だけとつながるハート。一つしか持っていない。もう買えない。その上、ココロノセンリツVol.1大阪で購入し、忘れられない7月1日を一緒に過ごした相棒だったと気付き絶望した。
一旦落ち着いて考えてみるとわずかに思い当たる場所があった。一縷の望みをかけて電話をしたが夜にならないと問い合わせられないということで、不安を抱えたままトークイベントを観ることになった。もちろんブレスレットより杏果自身の方が大切で、イベントの間はひたすら楽しく過ごせた。
ふじみ野から帰り、再び電話をかけた。祈るような気持ちで「茶色いベルトで、シルバーの飾りで・・・」と伝えた。
すると電話先のお姉さんが言った。
「ハートの半分みたいな形ですか?」

なくしかけていた心は、杏果と出会うことで取り戻された。

「ココロノオト」有安杏果1stフルアルバム全十四曲紹介

※2018年1月追記
当記事の内容は全て2017年10月15日当時の情報です。現在有安杏果さんはももいろクローバーZを卒業していますが、アルバムは発売中です。聴きましょう。




宇宙があり






地球があり






ももいろクローバーZがあり






有安杏果があり






ココロノオトがある






M1 心の旋律

完成度★★★★★
歌唱力★★★★★
メッセージ性★★★★★

有安杏果(ありやすももか)さんはアイドルグループ「ももいろクローバーZ」のメンバーで、緑色担当。
グループの一員でありながら、このたびソロアルバムを携えてメジャーデビューを果たした。

なぜか????

それがこの一曲目「心の旋律」を聴けば分かる。

有安杏果とは誰なのか、なぜ歌うのか、なにが彼女を突き動かすのか。


このアルバムは彼女が楽曲を生み出した順に編まれている。
「心の旋律」は彼女が中学生の頃から書き溜めていたノートを元に初めて書いた歌詞だ。

「心の旋律」という曲名は、「ココロノセンリツ」として彼女のソロライブやパンフレットの題名にも採用されている。
初のソロライブ「ココロノセンリツ~feel a heartbeat~ Vol.0」を開催した横浜アリーナにて限定販売されたミニアルバムのタイトルも「ココロノセンリツ♪ feel a heartbeat」となっている。

また、彼女が4年間通った日本大学芸術学部写真学科での卒業制作も「心の旋律」というタイトルだった。
この曲を写真で表現した展示(上の画像参照)は高い評価を受け、写真学科の奨励賞を受賞している。

「心の旋律」はそれだけ有安杏果の核となっており、この曲なしには何も始まらなかったと言える。

そんな大切な歌詞にメロディーをつけたのは、長らくももいろクローバーZバンドマスターを務めていたピアニスト・武部聡志
ももクロが生演奏でカバー曲を披露する番組では、杏果の歌と武部氏のピアノが名コンビとして愛されていた。
杏果が描いた「心の旋律」の世界を100%音に乗せられる作曲家は彼しかいなかった。
なお武部氏は杏果の初ライブのバンドマスターを務め、「心の旋律」を美しく奏で上げてみせた。

色を変えゆく空の様相、その下で想いを貫く少女の心が優しく、力強く胸に迫る。
内省的な歌詞の中には共感できるフレーズも多く、彼女の人間味を伺わせてくれる。

スローで心地の良い曲調だけれど鋭さも持ち合わせ、高く伸びゆく有安杏果の歌唱がこちらの心をも貫いてくる。

有安杏果を知りたいならまずこの歌を聴けばいい。
「心の旋律」は有安杏果のファーストアルバムの一曲目に相応しすぎるナンバーだ。


M2 Catch up

完成度★★★★★
歌唱力★★★★★
メッセージ性★★★★★

杏果が初めて作曲を試みた記念すべき一曲がこの「Catch up」。
一曲目から一変し、とてもキャッチ―でキュートなナンバーだ。

遡ること4年前、杏果がこっそり入学した日大芸術学部にて、音楽学科の人との出会いがあったそうだ。
同級生が作曲を学んでいることに衝撃と刺激を受けた杏果は、その友人に色々聞いてみたらしい。
話の流れの中で一緒に一曲作ってみようということになり、この曲の原型が生まれた。

その出来事がなければ杏果は作曲などしなかったかもしれない。
なんというか、そういう運命を引き寄せてしまう人なのだと思う。

詞を付ける機会もないまま眠っていたそのメロディーを杏果が掘り起こしたのは、ソロライブ開催が決まった時。
詞を書き下ろし、曲を整え、杏果がaikoさんの曲を通して知ったOSTER projectさんに編曲と歌詞の整理を依頼し、完成した。

この曲は一度聴けば大体覚えられるほどキャッチ―だ。
きっと誰だってワクワクして踊りだしたくなるメロディー。まさに神曲
編曲を手掛けたOSTER projectさんといえばVOCALOIDを用いた可愛らしい楽曲で脚光を浴びた方で、この「Catch up」にもOSTERさんらしいキラキラの世界が広がっている。

そして歌詞が凄い。
一聴すると恋愛の歌詞だ。杏果が書いた中で唯一そう聴こえる貴重な歌詞だ。
本人も、周りの大学生にリサーチしたりドラマを見たり妄想を膨らませたりしながら恋愛の可愛い歌詞を書いてみたと公言している。
しかし一方でこうも言っている。「私とファンのみなさんのことを書いている」と。

そう、この歌詞はダブルミーニングになっている。
好きな人を想う可愛い女の子の物語、でありながら、日ごろファンに寄り添おうとしている有安杏果の姿、でもある。

有安杏果というアイドルがどのように愛されているのか、これを聴けば察せられると思う。
そしてもれなく有安杏果に恋をする。


M3 ハムスター

完成度★★★★★
歌唱力★★★★★
メッセージ性★★★★★

こちらは杏果が初めて一人で作詞作曲を手掛けた歌だ。

来る日も来る日も鼻歌を録り、少しずつ歌の形にしていったそう。
試行錯誤の甲斐あって、全編物凄くキャッチ―なメロディーになっている。
さらに編曲のJin Nakamuraさんやプロデュースを手掛けた多保孝一さんの手により、音楽ファンをうならせるような至極のサウンドに仕上がっている。

この曲はサビからスタートし、そのサビの出だしが「街頭の灯りが明るい都会の空」という歌詞なのだが、「あかりがあかるい」ってどうなんだ、と最初は正直引っかかった。
歌詞の技法のことは分からないけれどこれは微妙な言葉選びではないかと素人ながらに思ってしまったのだ。

しかし!「街頭の灯りが~明るい都会の空~」というフレーズは妙に強く頭に残り、ついつい口ずさんでしまう。都会の夜空を見上げる度に思い出してしまう!
結局これはすごく上手いなと今では思う。してやられた。

全体的にハムスターの歌詞はとても素直で、有安杏果の思想が良く出ている。
そして多くの人に届く歌だと思う。

同じ日常を繰り返し、回し車のハムスターのように走り続け、自分の存在意義を見失い、真っ暗な帰り道を急ぐ。
でも・・・!という歌詞だ。

「でも」なんなのかは曲を聴けば分かる。

杏果が暗い夜道を歩きながら何を考えていたのか、ふっと見えてきて、有安杏果という人間が愛おしくなる一曲だ。


M4 ペダル

完成度★★★★★
歌唱力★★★★★
メッセージ性★★★★★

この曲も杏果が鼻歌で作曲し、自分で作詞した作品だ。
「ハムスター」に表れている杏果らしさが「ペダル」にも色濃く出ている。

歌詞からして、「ハムスター」が夜の歌だとしたら「ペダル」は朝の歌だ。
しかし曲調は「ハムスター」の方が明るく、「ペダル」は落ち着いている。

そんな風に曲を聴いていると、杏果はネガティブなのかポジティブなのかよく分からなくなると思う。
答えはおそらくどちらでもあり、どちらでもない。確かなのは、彼女が堅実な歩みを好んで実行してきた人であるということだ。

さてこの「ペダル」は、歩いたり自転車に乗ったりしながら、道、あるいは人生、あるいは芸能活動の道を進んでいく杏果の心情を描いた一曲だ。
暗いようでいて爽やかなメロディーは歌詞と完璧にマッチしている。
表参道を歩きながら、時折カフェに籠り、詞と曲を同時進行で作り上げたそうだ。
巨匠本間昭光さんに何度もリテイクを注文したという編曲も素敵で、この曲の世界を見事に表現している。

余談だが元々杏果は自転車に乗ることが出来ず、番組の企画で克服したという過去がある。そんな彼女が「ぺダル」という曲を作るに至ったのは面白い。

有安杏果のシンガーソングライターとしての確かな実力とクセがよく分かるナンバーだ。
真っ直ぐな言葉を通して描かれた彼女の哲学は、聴く者の心に沁み込んで穏やかな共感を生むだろう。


M5 feel a heartbeat

完成度★★★★★
歌唱力★★★★★
メッセージ性★★★★★

有安杏果初のソロライブの一曲目を飾った、スタートラインの曲だ。
ソロライブで発売したミニアルバムに先行し、この曲だけ独自のジャケット写真を携えて配信された。

杏果が初めて自作曲を披露したラジオ番組「有安杏果オールナイトニッポンR」でも一番最初に流され、多くのファンに衝撃を与えた。
ライブのタイトルにも「ココロノセンリツ 〜feel a heartbeat〜」として使われており、「心の旋律」と並んで杏果のキーとなっている作品だ。

「feel a heartbeat」は、杏果が人生初のソロライブの一曲目で歌うために、ステージから見える景色を想像しながら紡いだものだ。
そのようなはっきりとした目的で書かれたものだからか、込められている熱量がものすごい。

ソロライブに向けて苦難と期待に溢れる杏果の日々と、ライブ当日に横浜アリーナのステージから見えるであろう景色が鮮やかに描き出されているのだが、そこには「あなた」がいる。

私は初めてこの曲を聴いた時、この人のファンをやってきた時間の全てが報われたように思えて感激した。
彼女は一人で夢を叶えたいのではなく、「あなたと」「一緒に」その時を迎えたいのだ。

もちろん、初のソロライブが終わった後もこの曲は色褪せることなく生き続けている。
練り込まれた歌詞は具体的なようでいて普遍的で、彼女がいつ歌っても映えるようになっている。
有安杏果とファンの絆を象徴し続けるナンバーだ。

また、「音の魔法」というワードが「Catch up」と共通で使われており、二曲の繋がりを考えるのも楽しい。

メロディーは多保孝一さんの指南のもと、杏果がギターで作曲したものだ。
杏果がギターを用いて作曲したのはアルバムの中でこの一曲だけで、本人はかなり苦戦したと語っている。
しかしその甲斐あってこの曲は、誰の耳にも引っかかるようなキャッチーで完成度の高い作品になっている。
「ハムスター」の編曲も手がけるJin Nakamuraさんがこちらでも神がかったアレンジをされている。

ラストのサビ前のDメロでは、ファンの涙腺をぶっ壊すようなキラーフレーズの後に、「Wow wow Yeah Yeah !!(Wow wow Yeah Yeah!!)」という掛け合いが配置されている。
ライブでファンと掛け合いたいがために作られた部分だ。
実際にこの掛け合いは毎回会場のボルテージを振り切らせる大切なパートになっている。

有安杏果にとって夢とはなにか、音楽とはなにか、ライブとはなにか、ファンとはなにか。
突き抜ける空のように澄み切ったこの歌が教えてくれる。

M6 Another story


完成度★★★★★
歌唱力★★★★★
メッセージ性★★★★★

打って変わって、ロック寄りの激しさを放つ曲。
作詞は杏果、作編曲はアニソンの名曲を数多く手がける宮崎誠さんだ。

この歌詞は長期間かけて練り上げたのではなく、衝動的に一気に書き上げたものだそう。
さらに、これは「今」の葛藤や「今」の想いを表現しているからと、温存せずにすぐ作品化したのだという。

一言で言えば「心の闇」。
少し刺々しい言葉選びは他の作品には見られないものだが、ネガティブだけで終わらずポジティブに持っていく作風は共通している。

誰にでも、「もうダメだウワーーーーーッ」っとなってしまう時はある。
そんな時、杏果ならどうするか。
明るいながらも激しくてかっこいい曲に乗り、彼女のメッセージが雪崩れ込んでくる。

ラストサビ前のDメロは情景描写から心情描写に移行するつくりになっているのだが、そこがあまりにも秀逸な歌詞で、かつ、あまりにも秀逸なメロディーであるため、私はいつも身構えて聴いてしまう。
勿論曲の流れの中で輝く部分なのだが、ここだけでも聴いてみて欲しくなる。それだけ素晴らしいパートだ。

有安杏果という人は、自分に厳しく、芯からの強さを持ち、葛藤をなんとか噛み砕いて進んでいける人なのだなと、この歌を聴いたら分かるだろう。

その前向きな姿勢に気圧されてしまう場合もあるだろうが、もっとしっとりと寄り添ってくれる歌もアルバム後半に登場するため、この歌はこの歌として受け止めればいいのだと思う。

有安杏果の心の叫びが込められたこのナンバー。
聴いてみれば、「Another story」というタイトルのセンスに驚かされることだろう。


M7 Drive Drive

完成度★★★★★
歌唱力★★★★★
メッセージ性★★★★★

ここまでは杏果が初のソロライブに向けて作詞または作詞作曲をした楽曲が時系列順に並んでいたのだが、ここからは杏果が作詞も作曲もしていない提供曲が続く。

他のアーティストとのコラボレーションは杏果の音楽世界の広がりを生み出し、ライブやアルバムの幅を押し広げている。

まずはこの「Drive Drive」。
杏果が好きな[Alexandros]の川上洋平さんに依頼して書いてもらった作品だ。
大物への依頼が通ったのは、ももクロおよび杏果を担当しているEVIL LINE RECORDS(キングレコード内のレーベル)の宮本純乃介プロデューサーの力だ。

[Alexandros]の魅力のひとつである、英語が入った曲を歌いたかったそうで、要所要所に英語詞の混ざった仕上がりになっている。これがかっこいい。
横山裕章さんのアレンジもかっこいい。

要約するのは難しいが、ものすごく簡単に言えば、壁を飛び越えてドライブする歌だ。
なにかこう、生きる情熱を掻き立てられる。

川上洋平さんの言葉の選び方がいちいちかっこいい。
杏果の少しやさぐれた歌い方が言葉の魅力をしっかりと引き出していて良い。
杏果の書いたものではないが、きちんと杏果の言葉として響くから好きだ。

「Drive Drive」はどこで聴いても広い空の下で聴いているような気分になる。
ライブではサビでタオルを回すのが恒例となっており、室内であっても物理的な風を感じることで本当に外で聴いているような気分になる。

ボーカリストとしての有安杏果の実力の幅を垣間見せる、スタイリッシュなナンバーだ。


M8 裸

完成度★★★★★
歌唱力★★★★★
メッセージ性★★★★★

こちらは杏果がシンガーソングライターの小谷美紗子さんに依頼し、実際に面会してから書いてもらった作品だ。

杏果のお母さんが小谷さんのファンで、杏果はお母さんの持っているCDを通して小谷さんの世界観を好きになったそうだ。
そこには自分と通づるものがあると杏果は感じていたようで、今回の依頼に至った。

杏果の歌いたいことを理解し、杏果が必要とする曲を察知した上で、杏果も知らないような杏果を引き出そうとした小谷さんの大勝利である。
歌のディレクションも小谷さん自身が担当され、新しい有安杏果がそこに生まれている。

アイドルが「裸」というタイトルの曲を出すというのは衝撃的なものだが、歌詞の内容もまさに「裸」の心を曝け出したもので、なかなか挑戦的だ。
けれどもバッチリハマっている。

この歌を語るのは難しい。
とても美しくて、脆くて、でも強くて。
本当の心を静かに語っているような、激しく叫んでいるような。
自分と、誰かと、社会との間で、戸惑いながら、嘆きながら、それでも、淡く願う。
杏果の声が音楽に乗り、ゆらゆらと揺らぐ心の声を伝えてくれる。

この先何十年、ずっと歌い続け、磨き続けてほしい作品だ。


M9 愛されたくて

完成度★★★★★
歌唱力★★★★★
メッセージ性★★★★★

杏果が大好きな風味堂渡和久さんにオーダーして作ってもらったJAZZYなナンバー。
そう、杏果は好きなアーティストさんに依頼しまくって美味しい思いをしているのだ。冗談です。

好きな女に愛されたいがゆえに嘘をついて自分を飾り立てる男の歌。
それを杏果が可愛らしく、ジャジーに、ところどころ少し舌ったらずに歌う。
合わないようだけれど、これが見事にマッチしている。奇跡の化学反応だ。

杏果の大人のレディとしての雰囲気と、秘められた少年性が混ざり合い、素晴らしいことになっている。
「Drive Drive」とも「裸」とも違う、また新たな魅力を感じられるボーカルだ。

後半の間奏には「ぱっぱどぅびどぅびどぅ・・・」というスキャットが入れられているのだが、その可愛さたるや・・・。
国を支配できるレベルの萌えがここにはある。

ライブでは持ち前のダンススキルを生かして華麗にくるくる舞ってくれる。
それはライブチケットやブルーレイを買わなければ見られないのだが・・・曲を聴くだけでもその姿が浮かんでくることだろう。

なんだか、バーでカクテルを片手に楽しみたくなるような、素敵な雰囲気の一曲だ。


M10 遠吠え

完成度★★★★★
歌唱力★★★★★
メッセージ性★★★★★

こちらも渡和久さん作詞作曲の提供曲。
「愛されたくて」は編曲も渡さんが手がけているが、こちらの編曲はももクロでもお世話になっている長谷川智樹さんで、雰囲気がかなり変わる。

「愛されたくて」のスイートなテイストから一変し、「遠吠え」は徹底的にビターだ。
渡さんの中では「愛されたくて」は赤、「遠吠え」は青のイメージがあるらしい。
それは冷たくて深い青だと思う。

「言葉」をテーマに繰り広げられる、なかなか重くて鋭い歌詞。
暗いところから突き抜けていくような激情は、杏果の性質とも通づるもので、ゆえに合う。

ジャジーな雰囲気は「愛されたくて」と共通しているのだが、こちらはジャズロックとでも言うのだろうか、とてもクールでかっこいい。
そして歌の難易度がものすごく高い。

このアルバムにおいて、「愛されたくて」までの9曲は2016年7月3日に行われたファーストライブの前に作られている。
この10曲目「遠吠え」も「愛されたくて」と同時期に作られてはいたのだがしばらく温存されており、初披露は今年2017年6月〜7月の東名阪ツアー、歌のレコーディングをしたのはそのツアーの後となっている。

経験を積み、ツアーでの試行錯誤を経たからこそ、この難しい曲を自分のものに出来ている。
単に歌唱力の上昇とだけは言えないくらい、歌に含まれる多々の要素のレベルが段違いになっており・・・いや。

めっちゃ上手い!!!!!

有安杏果の歌唱を味わえる珠玉のナンバー、必聴。


M11 小さな勇気

完成度★★★★★
歌唱力★★★★★
メッセージ性★★★★★

有安杏果作詞作曲の「小さな勇気」。
こちらは前曲「遠吠え」より先にレコーディングされ、先に披露されたのだが、曲の誕生自体は「遠吠え」より後であるためここに配置されている。

杏果は2016年7月3日に横浜アリーナでのファーストライブ「ココロノセンリツ〜feel a heartbeat〜 Vol.0」を終えた後、追加公演として「Vol.0.5」を2016年11月26日に大分県別府ビーコンプラザで開催した。

なぜ大分だったのかといえば、2016年4月に熊本・大分で発生した震災のことが彼女の心にあったからだ。

その特別なライブに際して、新たな曲を書き下ろそうとなった時、有安杏果は進化した。
今まではひたすら自分の想いなどを表現していたが、今度は、誰かのために曲を書きたい。誰かの背中を押したい。
そういう気持ちが芽生えたそうだ。

アルバム前半に並んでいた杏果の詞と見比べると分かるのだが、「あたし」「自分」という言葉が「小さな勇気」では一切使われず、「僕ら」になっている。

「小さな勇気」、それは被災地の人々だけでなく、悩み苦しむ全ての人に向けられた杏果の祈りだ。

夜が明け、小さな種がまばゆい光に向かって伸びていくような情景を、そのままメロディーにしてみせた杏果は、コンポーザーとしても一段上に進んでいる。
河野伸さんの編曲がまた素晴らしい。
冒頭のピアノ音が印象的なのだが、そこは杏果がキーボードで弾いてようやくニュアンスを伝えて足してもらった部分なのだそうだ。

ちなみに「小さな勇気」は別府でのライブ後に期間限定で配信され、利益は全額被災地に寄付された。
また今年とあるトークイベントにて2017年7月に発生した九州北部豪雨の被災者に向けたコメントを求められた際、杏果は咄嗟に「小さな勇気」をアカペラで歌唱した。
2017年10月13日には、彼女の念願であった東北での公演が実現し、仙台サンプラザホールの観客とこの歌を合唱した。

「小さな勇気」は杏果の転機となった重要な歌であり、距離や時間を超えて人の心に届く確かな力を持つ作品だ。


M12 TRAVEL FANTASISTA

完成度★★★★★
歌唱力★★★★★
メッセージ性★★★★★

こちらは2017年6月〜7月の東名阪ツアー「ココロノセンリツ〜feel a heartbeat〜 Vol.1」で披露され、ツアー後にレコーディングされた楽曲だ。
製作は「小さな勇気」より後だが、披露とレコーディングは「遠吠え」と同時期という、少し複雑な時系列があり、とにかくアルバムではここに配置されている。
まあそれはいいとして。

Official髭男dismさんも杏果の好きなバンドだ。
杏果は彼らの楽曲をラジオでかけるほど好きで、多分その熱意もあって曲提供が実現した。本当に良かった。

「TRAVEL FANTASISTA」は、このアルバム「ココロノオト」の中で最も万人受けしそうなキラーチューンだ。
キャッチーでポップで楽しいメロディーに乗せて紡がれる、無敵な「君と僕」の物語。
この歌を気に入らない人はあまりいないように思う。

舞台である「街」を「ライブ」に、「君と僕」を「自分と杏果」に置き換えて聴いたらなんだかもう・・・筆舌に尽くしがたいほど・・・たまらなくなってしまう。

私はファンだからそういう意味でこの歌を宝物のように感じるのだが、杏果以外の誰かを想像したり、抽象的な「2人」や特定の2人組に当てはめて聴いてみるのも良い。一部の層は悶え死ぬだろう。

音に乗りながら軽やかに歌う杏果の声は、この曲の世界を鮮やかな形にしてくれる。
サビの最後に配置されているカタカナのフレーズが3つあるのだが、その発音の仕方が素晴らしい。
杏果の歌心を楽しめる最高のナンバーだ。

ライブではサビで一緒に手を振るのが楽しい。
杏果のライブを盛り上げる切り札として、長く愛されていく一曲だろう。


M13 色えんぴつ

完成度★★★★★
歌唱力★★★★★
メッセージ性★★★★★

杏果が今年の東名阪ツアーのために書き下ろした一曲。
私はこのアルバムの楽曲は全て好きだけれど、あえて一番を選ぶのであれば「色えんぴつ」だ。

この歌はメロディーも歌詞も明らかに異質で、重々しい、暗い、深い闇のようなものを宿している。
ネガティブな思索のなかからポジティブな糸口を見つけるのはそれまでの杏果の作風と一致するのだが、ネガティブの度合いが違う。傷やトラウマの域だ。

杏果は1歳から芸能界に入り、幾多の辛苦を舐めてきた人だ。
子役として、頑張って用意してきたオーディションで落とされることが沢山あった。
キッズダンサーとしてのここぞという舞台で隅のステージに追いやられた苦い経験もあった。
事務所を変えて辿り着いたアイドルグループはすぐに解散してしまった。
電撃加入したももいろクローバーでは、握手会で直接文句を吐きかけられたこともあった。
ももクロでの立ち位置は端っこで、せっかくソロパートが多い曲でもMVに全然写っていなかったりと、なにかと不公平な扱いを受けてきた時代もあった。
そんなこんなで杏果の中には「自分は必要とされていないのではないか」という思いが常にあったようだ。

けれど、2016年7月3日、横浜アリーナに集まる大勢の観客を前にして、杏果の意識が変わった。
必要としてくれている人がいるんだ。
もしかしたら自分にも出来ることがあるのかもしれない。

そうして生まれたのがこの作品だ。
色えんぴつは大事な色からなくなっていく、というようなメモに基づいて書いたそうだ。

アルバム前半の「Another story」に関して「前向きな姿勢に気圧されてしまうかもしれない」と書いた。
この「色えんぴつ」はそれと対照的で、弱っている人の心にも優しく溶けていくような歌詞になっている。
私はこれを夜中にベッドの中で聴くのが一番好きだ。

「自分は必要とされていない」と思わない人間の方が、きっと少ない。
「色えんぴつ」は多くの人の心に作用するだろう。本格的に救われたり、少しだけ心が軽くなったり、効果は様々だろうけれど。
誰かのために歌詞を書こうと決めた杏果が「小さな勇気」の次に作ったこの歌は、確実に誰かが必要としている歌だ。

さて、凄いのは歌詞だけではない。
あのヒャダイン=前山田健一氏にも「かっこいい、どうやって作るのかわからない」と言わせるほどメロディーが凄い。

鼻歌で少しずつ作ったメロディーを組み合わせて完成したというこの曲は、暗いところをゆったり流れながらも転調を繰り返し、終盤にかけて怒涛の展開を繰り広げて収束する・・・と書いても何を言っているか分からない。

スローテンポだけれどキャッチーで、独特だけれどメロディアスで、分かりにくいようだけれどしっかりまとまっていて、暗めの曲だけれど繰り返し聴きたくなる。そんな不思議な曲だ。

歌詞と曲がリンクしてずっしりとした重みを生んでいるこの歌だが、Yaffleさんのアレンジによって淡く優しくマイルドに仕上がっており、聴きやすい。

杏果の、情感溢れながらも感情的すぎない歌い方も良い。
初めてライブで聴いた際の「色えんぴつ」はヒリヒリするほど激情的な歌唱で、私は号泣し、絶賛したのだが、アルバムのワンピースを担うCD音源としてのこちらの「色えんぴつ」もあたたかみがあって好きだ。

有安杏果の「色えんぴつ」はもっと評価されるべき、そしてもっともっと届くべき歌だと思う。


M14 ヒカリの声

完成度★★★★★
歌唱力★★★★★
メッセージ性★★★★★

アルバムのラストを飾るのは、爽やかで明るい「ヒカリの声」。
アルバムを通して魅せられてきた杏果の作詞・作曲・歌唱の集大成のような作品だ。

「feel a heartbeat」で描いていた横浜アリーナのステージに、杏果は実際に立った。その時浴びたスポットライトの眩しい光が忘れられず、この「ヒカリの声」を書くに至ったそうだ。

だから「feel a heartbeat」の続編やアンサーソングとして聴くことができる。
ワードを照らし合わせてみるとグッとくる。
さらに、誰かのための曲作りの先駆けとなった「小さな勇気」や、同時期に作られた「色えんぴつ」とも通づる部分がある。

ライブを作る過程の苦しみをトンネルに喩え、ステージの光が彼女を支えていることを示す歌詞だ。
「ヒカリ」は一方通行ではなく、しんどい目に遭いながらも日々を生きているファン達と杏果がお互いに照らし合っている。

私のようなファンの琴線に直接素手で触れるような歌であり、杏果を知らないで聴いてもきっと力をもらえる歌だ。

本人出演のMVが公開されており、一番多くの人の耳に触れるであろう歌なのだが、しっかりと多くの人を引きつけるメロディーに仕上がっているため文句なしだ。
鈴木 Daichi 秀行さんの清々しいアレンジもこの曲の魅力を引き立てている。

「ヒカリの声」にはクリエイターとしての杏果の実力とボーカリストとしての杏果の伝達力が十二分に表れている。
特にDメロの絶唱はその核となっている。私はこのDメロを一生忘れない。

このアルバム「ココロノオト」の曲順は、単純に、曲の生まれた順である。
けれども、杏果の歌手活動のルーツである「心の旋律」から始まり、トンネルを抜けて未来に繋がるような「ヒカリの声」で終わる構成はこれ以上にないほど見事だ。
「ヒカリの声」は勿論一曲でも楽しめるが、「ココロノオト」のエンディングテーマとして聴いてみるとまた色が変わって一層楽しい。

このアルバムに捨て曲などひとつもない。
ネガティブだけに支配された曲もなかった。
ひとつひとつの大切なトンネルをきちんと抜けて進んできた軌跡がこのアルバムだ。

今日は2017年10月15日。
杏果は11日に発売したこのアルバムの向こう側、仙台公演を13日に終え、今は20日の日本武道館に向かっている。



そして・・・



このレビューもトンネルを抜け






ココロノオト特設サイトがあり

http://www.evilline.com/momoclo/kokoro_no_oto/






ココロノオトがある





以上、有安杏果ソロアルバム「ココロノオト」の感想を交えたレビューというか紹介文でした。
乱文失礼致しました。

ココロノオトが気になった方は早くこのページを去り、ココロノオト特設サイトへ行ってください。

http://www.evilline.com/momoclo/kokoro_no_oto/

MVやライブ映像や全曲視聴できるトレーラーへのYoutubeリンクが纏められているほか、通販サイトへも飛べます。飛んでください。

まずはYoutubeだけでも。レンタルでもいいのです。飛んでください。CDショップでもいいのよ。

有安杏果さんの歌が一人でも多くの人の心に届くよう願っております。

パンフレットにコメントが載った話

好きな人が出した本に自分の言葉が載っている。


次のライブのパンフレットに今までのライブの様子を載せたいから現地のレポを書いてほしい!
という杏果ちゃんの要望を受け、自分が一番大切に想っているVol.1大阪公演初日のレポートを鬼のように書いた。

締め切りは翌日の夜。
おれに任せろ!と言わんばかりに、ツイッターにこもり、指定されたハッシュタグをつけて大量にレポートを呟いた。

ただ一番書きたかったことは140字では収まらなかったためブログのコメント欄に丁寧に書き込んだ。

とにかく杏果ちゃんの期待に応えたかった。
すごく申し訳なさそうに協力を依頼してくれた杏果ちゃんの役に立ちたかった。
いつもいつも杏果ちゃんに貰っている。貰いすぎているほど貰っている。こんな時にしか返せないのだからしっかり返したい。

あとは単純に、杏果ちゃんがパンフレットの編集作業で相当追い込まれているような雰囲気を感じたため、こちらも動かずにはいられなかった。

大阪公演の直後に書いた自分の日記とツイートを見ながら、杏果ちゃんの要望に沿うようなコメントを手当たり次第繰り出した。
杏果ちゃんがほぼ確実に見てくれると頭では分かっていても、実感はなかった。

私も、私のタイムラインの方々も、ギリギリまでライティングを続け、ついに締め切りの時間が過ぎた。
これだけ書けばひとつくらい採用されるだろうな〜と期待しつつも、本気ではなかった。

あれから一ヶ月弱経った。
杏果ちゃんは怒涛の編集作業を無事乗り切ったのだと思う。HMVの売り場にパンフレットが置いてあった。

杏果ちゃんは今日仙台でライブをしていて、その会場でパンフレットを発売したわけだけれど、仙台にいない私のような民のために全国のHMVでも今日から買えるようにしてくれていた。

優しい心遣いに感謝しながら早速ページを捲る。
最初の1ページからため息がでる。これが杏果ちゃんの作りたかった本。

豪華な誌面を読み進め、ライブレポートのブロックに差し掛かる。
まずは横浜アリーナの特集。
記者のレポートがあり、写真があり、関係者のコメントがあり・・・ここでついに、あのファンコメントのコーナーの実物を目にした。

もっと乱雑に文字が詰め込まれているのかと思いきや、案外少ない。一つ一つが枠で囲まれ、匿名コメントの割にはかなり丁寧に扱われている印象を受ける。

思わず緊張した。
私も一応二つほど横アリのコメントを書いていた。

だがそれを探す前に、私がツイッターでフォローしている方のコメントが目に飛び込んできた。記名は無くとも、感銘を受けた文章だから覚えている。
それが杏果ちゃんに届いている。届いている証拠がこの紙面だ。ちょっと・・・泣きそうになってしまった。

結局私のコメントは横アリのページにはなかった。
大阪のページまで読み飛ばして確認したくなってしまったが、グッとこらえて順番に読んだ。
横アリの次は、大分、名古屋、そして。

そもそも大阪公演の写真を見ることすら緊張した。あの夜のあの衣装のあの杏果ちゃんの写真はまだ見たことがなかった。
意を決して見た大阪の杏果ちゃんは・・・それはそれは美しくて、あの日の杏果ちゃんで。
これは確かに私が観に行った公演の記事なのだと思うと手が震えた。

次のページに私のコメントがあるかもしれないし、ないかもしれない。

どちらかといえば自信はあった。でもショックを受けるのも嫌だからなるべく期待しないよう努めた。
期待と不安。
もう勢い良く開いた。


あった。


真っ先に目に飛び込んで来た。
一ヶ月ほど前に書いた文章だけれど、自分のものだとはっきり分かる。はっきり覚えている。なにより内容が自分の感想そのものだった。
それが、唯一杏果ちゃんのブログのコメント欄に書いたあの渾身の文章だった。

よく見ると驚いたことにもう一つ採用されていた。
ツイッターに上げたコメントだった。そちらも良く覚えている。

私は・・・息が出来なくなりそうだった。
その活字をこの目で見たら、あらゆる感情が渦巻いて止まらなくなった。

杏果ちゃんは確実に私の文章を読んでいる。
そもそも杏果ちゃんが選んで載せている。
私の文章が杏果ちゃんの目に止まり、杏果ちゃんの手によって、杏果ちゃん名義の出版物の1ページに掲載された。
自分の文章がたった数行とはいえ印刷されている本がHMVで売られているという、夢のような現象を杏果ちゃんが叶えてくれた。
ほんのちょっとでも、パンフレットを作る杏果ちゃんの役に立てた。
あの大阪初日、7月1日の大切な大切な気持ちが杏果ちゃんに届いた。
てのひらからすり抜けていくようで、必死に記憶の中で守っていた私の7月1日は紛れもなく現実だったと杏果ちゃん自身に認めてもらえた。
杏果ちゃんはブログのコメント欄やツイッターを本当の本当に見ている。
杏果ちゃんは実在している人間。
杏果ちゃんと私は交わっている。
遠くにいるトップアイドルだけれど、距離なんかない。
この想いは届いている。


私はもうそれだけで生きていける。


そう強く思った。凄まじい衝撃の中に、沁み入るものがあった。
泣きはしなかった。涙すら硬直して、しばらく動けなくなった。

もう・・・
杏果ちゃんが好きだ。杏果ちゃんにはかなわない。
こんなに粋なやり方で、こんなに壮大な希望をくれるのは、杏果ちゃんしかいないと思った。
ファンのみんなと一緒にパンフレットを作りたい!という、少し無茶とも言える企画を実行してみせた杏果ちゃんは、こんな私のような反応まで想定してくれていたんだろうか。
杏果ちゃんが意図したにせよ、しなかったにせよ、私はとんでもなく希望をもらった。
もう絶対に返しきれないくらい大きな希望を。
また貰ってしまった。


その後のページもしっかりと読んだ。
圧倒的なセンスと偽りのない真心で満たされていた。
最初から最後まで家宝だ。

このパンフレット・・・ココロノートを開けば、私はいつでもヒカリを貰えるような気がする。
だって7月1日は此処にある。私と杏果ちゃんを結ぶ糸は此処にある。
こんなにも現実味を帯びた絆を感じられること、贅沢だと思う。

本当に嬉しい。本当に本当に嬉しい。なんだか分からないけれどこんなに嬉しいことない。
杏果ちゃんありがとう。
杏果ちゃんに出会えて嬉しい。
まだまだもっと生きていようと何度でも思わせてくれる杏果ちゃんが好き。

でもいつか死ぬ時は、結構本気で、私の棺桶にこの本を入れてもらいたいと願うよ。

無題

どうして有安さんが好きなのかと訊かれたら答えられない。とりあえず答えたとしてもそれは表面的な要素の羅列であって理由にはならない。そもそも人を好きだという気持ちには大抵根拠がない。根拠があるとすればそれはその人と出会ってからの時間の積み重ねとしか言いようのないものだ。そう私は思ってきたけれどここに来て答えのようなものに辿り着いた。
私が有安さんを好きで、有安さんを好きでい続けるのは有安さんの顔や人柄や才能に依るのではない。一言で言えば「志」だ。有安さんが常に高い志を持ち続けているから、私は追随を止めない。
一人の人間に過ぎない有安さんが他人である私や大勢のファンに深い影響を及ぼせるのはなぜか。可愛いとか歌が上手いとかファンに優しいとか作詞作曲が上手いとかそんなところではなく、志を持って上に進み続ける凛とした姿、どんなに傷ついても落ち込んでも決して投げ出さない強さ、そうして歩んできた時間の集積こそが人々に、私にここまでの憧憬や愛情を抱かせるのではないか。
なんでそんなに頑張れるの?と凡人が思うような領域まで、彼女は疑問すら抱かずに真っ直ぐ進んでいくように見える。しかし軽々やっているわけではない、彼女は痛みや苦しみさえ歌に変えて強く立ち続ける。痛みや苦しみを直接書き連ねたり語ったりするのでも、裏の姿として隠すのでもなく、芸術に昇華し、同じような気持ちを抱く誰かを助けさえする。
有安さんは1歳から芸能活動を開始した人で、おそらくは子役の頃からずっと高い志を持ち続けていて、だから有安さんが息をするように努力が出来たとしても不思議ではない、と言って、「人種が違う」だとか「別世界の人間だ」というようにくくってしまえるわけはない。くくってしまっていいものではない。彼女も人間だ、芸能人として生まれてきたわけではなく、私と同じように人間だ。その同じ人間が高い志を持って進み続ける軌跡をリアルタイムで追い続けている。そこに「飽きる」だとかそういう概念は少なくとも私の中には発生しない。
有安さんを好きでい続けられるのは、私側の執念や愛情深さによるものではなく、有安さんが常に私の憧れの有安さんとして、刻一刻進化しながら走り続けているからだ。それ自体は有安さん自身のためのことだけれど、私もその恩恵を受けて、進化していく彼女のライブを楽しんだり、彼女の夢が叶う瞬間に立ち会ったりと、沢山の嬉しい経験をさせてもらえている。そして、彼女が倒れずに歩き続ける原動力の片隅に間違いなく私がいることを彼女の言葉によって確信しているからこそ、絶対に手を離さない。
芸能界というか世の中には有安さんのような高潔な存在がそれなりにいて、私はその中で一番私に合う人に出会えた。アイドルとファンという形で出会えた。私は遠慮なく彼女を尊敬していいし、恋しても愛してもいいし、ずっと好きでいてもいい。私は彼女が歩みを止めないことを見抜いている。死ぬまで歌いたいという願いが最後までブレないであろうことをもう分かっている。それほどまでに高潔な、しかしきちんと人間の魂を持つ、その人が、表現者として私と出会ってくれた。なんて幸せだろう。
そういうわけで私は、いやどういうわけかは全然まとまっていないのだが、「どうして有安さんが好きなのか」に対する一つのなにかに辿り着いたような気がしている。これはおそらくVol.1の余波だ。
アイドルというのはこちらの作った理想像で愛してしまう場面もあるだろうが、有安さんの姿から発せられる志は決して幻想ではないし、その証拠としての「作品」が現に私の手元に届けられている。
しかし結局のところ、例えばもし有安さんが志を捨て去ったとしても変わらず好きだ。でも私が知っている有安さんは志を捨てない。だから好きだというわけではない。でも、だから好きなのだと思う。

今日この場ではその色を見たくない

"些細なこと"だし"個人の自由"だし考えたって仕方ないと分かってるけどどうしてもイライラしてしまう。
大衆があの子の思い通りにならないこと、私の思い通りにならないこと。
ソロの会場では緑がひとつもない光景を見たい、グループでの自分とは違う色を魅せたい、彼女がそう考えていることは、伝わってる人にはきちんと伝わってる。私もそう受け取ってるしそれが曲解だとはとても思えない。
物販で白紺灰色のTシャツと白いタオルを売ること。それらに加えて"拍手と声"を持ってきて欲しいとまではっきりブログに書いたこと。あの子が態度と言葉で何回伝えても伝わらない、伝わっていても従わないのはどうしてだろう。コンサートに来るほどの愛情と財力、それとまともな常識力があれば簡単に出来ることなのでは?それともTPOという概念を蹴散らすほどのドルオタ哲学をお持ちで?
いや分かる、分かるよ俺は普段から推しだってアピールしたい気持ちも、彼女の前では緑を着るんだっていう気持ちも、物販買えないけど他に参戦服が無くて私服では行きたくないから緑を着るという気持ちも、推しじゃないから着ていく服がなくてとりあえず礼儀として緑かなと判断する気持ちも、何も考えず反射的に緑を用意する気持ちも。ペンライトを振る以外どうやってライブ中を過ごすか分からないとか、昔一面の緑に感動してくれたからとか、緑が似合うからとか。分かるけどそれって彼女本人の想いや願いよりも守るべき気持ちだろうか?確かに我々は金を払っている客だけれど、それ以前に、それ以上に、たった一人のかけがえのない彼女に惹かれてライブに足を運ぶファンなのではないか。
一面の緑は確かに綺麗だったけれどVol.0限定の景色になるべきだったと思う。でもまたどうせ武道館も半分くらい緑になる。
そっち側の人の意志はなかなか曲げられないだろうからファンの啓蒙ではどうしようもない。
あなたが音楽の力で変えるしかない。
あなたの音楽を聴いて「もう緑を着るのはやめよう」とか「思わずペンライトをしまった」とか書いていた人が沢山いたことも、だんだん緑の割合が減ってきてはいることも、ツアーの何曲かでほとんどペンライトが振られていなかったことも、集合写真で緑タオルの減少が見られたことも、私は知ってる。
そうやって少しずつ少しずつ緑が消えて、やがてあなたの色に染まりますように。
これは私のわがままでも彼女のわがままでもないから声を大にして言う。どっかの繊細なオタクが傷つくとしても言う。グループとソロでギターまで使い分ける彼女の強靭な意志を早く皆ちゃんと感じてほしい。
ああもしかしたら、彼女が緑を嫌っているとか遠ざけているとかグループを捨てたとか勘違いされて反骨精神を発揮されている場合もあるのかもしれない。そんなわけないってグループのライブ会場で目一杯伝えてくれてるのになあ。大体、グループに入って出会った自分の緑色を大切に大切にしてるからこそ安易に持ち出さないんじゃないの。
逆にグループの会場でソロのTシャツやグッズを目撃するのも私は苦手だ。グループでの彼女とソロでの彼女、ふたつの世界観があるから面白いのであって、どうしてそれにノらないの?って正直残念。まあそれはいいとして。
結局、ドレスコードのある結婚式にTシャツで来るのと同じことだと思う。ドレスやスーツが求められているのなら素直に従おう。お金がないならないでそれに準ずるものを用意しよう。なんて私が言ってもしょうがなくて本当にどうにか出来るのは本人しかいない。オシャレなTシャツやタオルを根気よく出し続けて、やんわりと訴えかけ続けて、ペンラいらずの鑑賞方法を定着させて、あとは歌声で伝えていけばきっといつか・・・。
ただ、彼女はとっても優しいし、決して緑の人を嫌がってはいないはず。だから途中でまあ緑でもいいかって諦めたら諦めたでいいけど、多分それは諦めないでしょう。
他の人がどうであれ私はこれからもグループの会場では緑まみれ、ソロの会場では一切緑なしを貫く。それが彼女のためだし私自身もそれが楽しいから。「私は分かってる側だから」みたいな最悪な顔が出来てしまうのも今のうちであってほしい。
でもやっぱりいつかじゃなくて、タオルで真っ白に染まる武道館を10月20日に見たいよなあ。

ももクロ

7月1日に杏果ちゃんと人生最高の時間を過ごした後、人が変わったようにももクロを受け入れられなくなってしまっていた。
だからこそもう一度ももクロに触れたとき、それまで以上の輝きに圧倒されて新鮮な好意が生まれた。
昨日、バカ騒ぎの初日を見て、その境地も終わった。
ももクロというグループを純粋に愛していた頃の自分が戻ってきたのだ。
私は今心からももクロが好きだ。

BLAST!

BLAST!通常盤を聴いた。涙が止まらない。ような気持ちだ。実際には笑顔だ。
「このCDを聴くためにももいろクローバーZに出会った」と思うのはもう何回目だろう。

前回の記事では、ココロノセンリツでの杏果が好きすぎて一時的にももクロと距離を置いたからこそもう一度ももクロと出会い直すことが出来て新鮮な愛情が芽生えた、ということを白状した(つもりだ)。
そのタイミングでこのCDを手にしてしまった。心を読まれているのだろうか。

まだあまり聴き込んでいない状態で、新鮮な所感を書き連ねていく。


Yum-Yum!
ももクロの楽曲群は、どんな気分の時にでもしっくり聴ける曲が必ず一曲はあるところが好きだ。この曲はその幅をまた一つ広げてくれた。
今までのももクロにはなかったカフェっぽい曲。こういう音楽を聴きたい気分というのは結構訪れる。まったりしたい時、ぽかぽかした昼下がり、眠りにつく前、色々なタイミングで楽しめそうだ。もうこの曲を手放したくない。
音楽としてのこだわりを強烈に感じる一方、ライブの画がすっと浮かばないのが珍しい。ライブを前提としないで作られたように感じる。でも今のももクロならぴったりの雰囲気で届けてくれそうだ。新しいパフォーマンス、新しい観賞スタイルが生まれる予感にワクワクする。
それにしても、前山田健一先生が手がけるということでもっとアップテンポの曲を想定していたから驚いた。こんな曲をももクロにくださるなんて惚れてしまう。
前山田さんの曲はおそらく毎回前山田さんがパート割やレコーディングに関与している。その彼の仕事は天才的で愛に溢れているといつも思うのだが今回も本当に素晴らしかった。なんといっても繰り返される杏果のフェイク。一人一人を尊重しながら、推しのあーりんをしっかり目立たせ、リーダーをきっちりセンターとして扱い、その上で有安杏果に対する敬意と信頼をはっきり示す作り方。あまりにも好きだ。
曲調は予想外だったけれど歌詞も予想外だった。食べるがテーマの曲ということで、食べよう食べようさあ食べましょう〜こんな時代こそ食べましょう〜というノリを想像していた。イントロの雰囲気から、そうではなくこれはももクロ版しあわせグラフィティか?と思い直した。しかし両方違って、食のハピネスを根本から肯定する壮大な歌だった。
ももクロメンバーが体型のことで昔から散々色々言われてきたことは前山田さんも知っているはずだ。前山田さんの推しこそが、レディーに失礼なことを沢山言われてきた。一方でももクロメンバーはいつも幸せそうに食事を楽しんでいる。過酷なライブの前に皆で美味しいケータリングを食べて力をつけている。その精神は変わらないまま、今のももクロは皆スタイルが良い。そういうことを全部踏まえて、きっと多少の怒りと反論も込めて、ももクロにこの歌詞を託した前山田さん。それを多幸感たっぷりに、優しく、時にお茶目に、時に力強く、大人の声で歌い上げるももクロちゃん。泣けてきてしまう。
ももいろクローバーZYum-Yum!という曲に出会えて本当に嬉しい。

Survivai of the Fittest -interlude-
https://youtu.be/XbM-x-AXNNE
invisible manners×サイプレス上野というまさかの展開にして、ももクロシングル初のinterlude、初のポエトリーリーディング
これを思いついた宮本純乃介さんも、サ上さんのリリックを自分なりに表現しきった夏菜子ちゃんも、完全に好きだ。なんてかっこいいんだ。
ナタリーのインタビュー(http://natalie.mu/music/pp/momoclo15)であーりんが「私たちはラッパーではないので私たちらしく」と語っていたのが良かった。

BLAST!
https://youtu.be/OlJ2IBf_Im8
で、そのinterludeからのBLAST!イントロ、杏果の歌い出し。完璧すぎて鳥肌の立つ流れだ。
この曲はかなり新しい挑戦でありながら、ももクロの表題曲として違和感がない。かっこいいけれどカップリング曲のかっこよさではなく、表題曲としての風格を纏うかっこよさなのだ。
前シングルでDECORATIONという最高のカップリング曲を生み出しておきながら表題曲もバッチリというinvisible mannersさんの才覚、そしてそれを発注する宮本プロデューサーのバランス感覚が素晴らしい。
初めて聴いたときはサビの明るさに引っかかってしまったが、重めのサウンドと明るいサビの組み合わせはNeo STARGATEを彷彿とさせる。Neo STARGATEといえばあの国立競技場であれだけ映えた名曲だ。BLAST!も間違いなくライブでもっと化ける。スタジアムに合いそうだから明後日の味の素スタジアムが楽しみだ。
この曲は良いところが沢山あるのだけど発売前に聴きすぎたため最早よく分からない。コンセプトもメロディーも音も歌詞も歌唱もとにかく全部が良いのではないだろうか。個人的にはラップが好きだからラップ要素に大感謝だ。ももクロのラップは良い。
CDで改めて聴くと更にサウンドが素晴らしくて脳が震える。またYum-Yum!に引き続き有安杏果の歌声が重宝されているのが分かり非常に機嫌が良くなった。
ちなみにラジオ音源を聴いて書き起こしてみた歌詞はそれなりに合っていたけれど、予想外の細かい工夫に驚かされる部分も沢山あった。彼らの言語センスは凄い。冒頭の「聴いときな」やサビの「Superior」を自力で聴き取れた自分は偉かった。ただ、発売前に自分の思い込みの歌詞で曲の印象を染めてしまうのは良くないと気付いたためもうやらない。

何時だって挑戦者
泣いてしまう。
只野さんの歌詞×ももクロちゃんの声は、どうしてこんなにも琴線に触れるのだろう。
正直、この曲はヤンキースタジアムで発表済みということもあり、収録曲としての事前の印象が薄かった。田中選手の入場曲だからMy Dear Fellowや勝手に君にの系譜だろうという先入観があり、あまり驚きがないだろうと正直ナメてしまっていた面も否めない。
結果的にこの曲が一番好きだった。冷静に考えれば只野菜摘×ツキダタダシ×R・O・Nという大三元。激熱の曲に仕上がっていて当然だ。もう文句なしに全てが噛み合った完璧なももクロ曲だった。それでいて今までにない新鮮なナンバーに仕上がっている。
唯一雰囲気が近いのは前作カップリングの伸ルカ反ルカかもしれない。あれは「でも行くだろ?」で、こちらは「行け!」。宛てる選手とそのポジションは違うけれど野球の歌としてセットで聴くのもアツそうだ。
只野さんがひらがなで書く歌詞は大体琴線に触れるのだがこの曲でもまさにひらがなの部分で涙が滲んでしまった。
あきらめる理由 みつめながら
あきらめない根拠 つかみとる

たくさんの笑顔があふれてる
応援にあまえることはない

ももいろクローバーZに歌ってもらいたい歌詞だ。もしこの歌詞を他のアーティストが歌っていたら泣きながらももクロにくれと訴えてしまうところだった。
メロディーはオレンジノートやコノウタや行く春来る春でのツキダさんの印象を覆すような、疾走感溢れるアニソン系アイドルソング(?)だ。満点のカップリングだけれど表題曲でも良かったと思う。ただBLAST!とは逆でサビまでが明るくサビがかっこいい(稚拙な表現で申し訳ないが)からBLAST!のカップリングとして相性がいい。間奏やブリッジのかっこよさにもやられる。なによりももクロに合う。
そしてR・O・Nさん。元メンバー早見さんのソロ曲fall into meのイメージが強く、今回もかっこいいロックアレンジを期待していたが、期待以上だった。ツキダさん×R・O・Nさんという奇跡に感謝。只野さんも含めた三者をドッキングした宮本プロデューサーのセンスが恐ろしい。
それにしても「向こう側」という大切な言葉を「自分の向こう側」として力強く歌うももクロは素晴らしい。強烈な説得力、これこそがももクロだ。

境界のペンデュラム
https://youtu.be/BD1BkOEhie0
ももクロに出会う前、私は特撮(スーパー戦隊仮面ライダー)が好きでいつも特撮ソングに勇気付けられていた。その多くを作詞しているレジェンドが藤林聖子さんで、私は藤林聖子さんに育てられたようなものだ。
ももクロを好きになってから、いつか藤林さんがももクロちゃんに歌詞を書いてくださったらいいなとずっと思っていた。それがまさかの実現を遂げたのが去年、WE ARE BORN。
もう十分感激していたのに、二度目があるなんて本当にビックリした。今回は大好きな大隅さんの曲に藤林さんの詞がつく。しかも題名が境界のペンデュラム。好きにならないはずがなかった。
だから金もないのに無理やりこのCDを買った。本当は初回盤Bで境界のペンデュラムのMVを堪能したいのだがとりあえず音源で我慢することにして、とにかく通常盤を通して聴いた。
最後の最後に待っていたラスボス、境界のペンデュラム。
これは、大丈夫なのだろうか?
本当に、この曲を聴かせて頂いて良いのだろうか?
ももクロは、実は仮面ライダーなのではないか?
ちょっと、何から言って良いのか分からないけれど、まず終盤のありたまいパートを聴いて崩れ落ちそうになった。ありたまいをそういう、あのですねえ。MILKY WAYや行く春来る春も好きだけれど、ここまではっきりと二人のコラボレーションを魅せつけられたら、どうしていいか分からない。有安のかっこよさと玉井のかっこよさが的確に合致している最高のパートだ。全国のありたまいファンが泣いている。きっと有安本人も泣いている。
それはともかく、この曲はももクロの新境地だ。シングル一枚でいくつ新境地を開拓すれば気が済むのかという話だが、この曲は別格だ。こんなオルガンやコーラスがゴリゴリ響く曲は初めてだろう。なのに不思議とももクロに合っている。大隅さんの才能に頭が下がる。
と、ここまで書いたところでまさかのMVが公開されたという運命的な通知が来たためYoutubeを開いたがめちゃくちゃにかっこよかった。やはり初回盤Bを手に入れてフルで観たい。
MVの印象も合わせて改めて、ゴシックで厨二感があり闇っぽいけれど圧倒的に前向きな光の差すこの曲は最高だと思う。まさかももクロがこれを歌うとは。
藤林さんだからという先入観もあるけれど、この曲はあまりにも仮面ライダーだ。こういう仮面ライダー仮面ライダーZ、実はいるのではないか。ももクロはチームで団結して戦うスーパー戦隊だと思っていたけれど、本当は孤高のライダー達が運命に引き寄せられて共闘する図にも喩えられるのだ。
歌詞はもう、全人類で音読しよう(http://sp.uta-net.com/song/233658/)。一つ一つのフレーズに血が沸騰しそうになる。ナタリーのインタビューでこの歌詞を美しいと評した百田さんに敬礼。
スポーツをテーマにしてきたこのシングルで最後の最後にこれ。これを表題曲にしないのがももクロだ。鬼のようにかっこいい。


色々と、主に詞曲の作り自体についての雑感を述べてきたが、BLAST!というニューシングルを受け止めて一番思い知らされたのはももクロの歌声の強さだ。
全編通して新しい挑戦に満ちたCDだけれど、全てがももクロの世界にハマっている。ぎこちなさが一切なく、自分の言葉であるかのような説得力を持って耳に入ってくる。
一人一人の歌声、五人合わせたハーモニー、唯一無二だ。あまりにも武器だ。ももいろクローバーZの歌声は不可能を可能に塗り替える力さえ持つ。それがよく分かった。かつて杏果が言っていた「ももクロの曲はこの五人でしか歌えない」という言葉が思い起こされる。この宇宙のどこを探しても、あの五人に代わるボーカルはいない。五人の声は宝物だ。
そして制作陣も期待を一切裏切らない。宝物を宝物として扱ってくれる。ももクロというチームは私を裏切らない。
私はももクロの音楽を愛している。ももクロの音楽を愛している限り、ももクロのライブを見限ることはないのだろう。
今、このタイミングでこのCDに出会えて本当に良かった。これからも、ももいろクローバーZを心から信じてついていこうと思う。何時だって最高を更新してくれる人たちの手を、私から離してどうする。
ももクロに出会い、一緒に時を過ごし、やっと出会えたこのCD。制作に関わった全ての人に感謝。明後日に控える夏のバカ騒ぎに向けて更に聴き込んでいきたい。BLAST!

正直

モノノフをやめようと思った。
杏果のライブの方がももクロのライブより楽しかった。Vol.1はライブとして凄まじく素晴らしいものだったけれどそれ以前にまずライブ中の楽しさが段違いだった。
もうももクロのライブを楽しめないと思った。春の一大事はあんなに楽しかったはずなのに、あんなに楽しかったからこそもう、あれを最後にしたかった。
同伴予定の友人には悪いけれど夏バカを放棄しようとすらしていた。

Vol.1の直後、杏果以外のももクロメンバーの写真を見ることすらしばらく出来なかった。
正直、ももクロが永続を目標としていることに絶望してしまった。
もっともっと杏果のあのライブを見たい。
ももクロがなければ年に何回もライブをしてくれて、曲も沢山リリースしてくれるはずなのに。杏果は音楽で人を救う物凄い力を持っているのに。その人生は一度きりで、永遠じゃないのに。
ももクロに対してほんの少しでも解散を望んでしまったのは生まれて初めてで、自分でも驚いたけれどしょうがなかった。
解散も脱退もしないのは分かっているから、それぞれのソロ活動がもっと活発になるか、また誰かがドラマに出るか、早く誰か結婚して産休育休にでもなって欲しいと思い始めた。

私が行ったVol.1大阪公演の直後に開催された七番勝負やフォーク村、見るには見たが辛かった。
七番勝負での杏果のアカペラは感動したけれどあれに手拍子をつけるなんてVol.1の会場では絶対に起こり得ないことだった。他のメンバーの映像は見る気になれなかった。
ももクロのミニライブの映像は見たけれどあれは良いライブとは思えなくて、失望してしまった。
フォーク村での杏果の歌やドラムは見事だった。しかしあの場は杏果に相応しいと思えなかった。せめてまともな番組進行で見せてほしかった。あと杏果はカバー曲も素晴らしいけれどやはり杏果の曲の方が輝いていて、そういう意味でも今の杏果をあの番組に使われるのが悔しかった。

ツイッターを見るのもキツくなってきてほぼやめた。
情報は最低限しか追わないようにした。
フォーク村以降色々あったはずだけれどあまり記憶に残っていない。マラソン大会などは本当に知らないうちに開催されていた。流石に新曲の解禁時はラジオに張り付いて興奮していたけれど、なんというか、ももクロをちょっと好きなだけの人のモチベーションと変わらない。要は以前の私の生活とは全然違う。
ももクロと距離を置くのは久しぶりだった。壁を作るような真似は初めてだった。
杏果のライブが悪いなんてことは決して断じて全くなく、たまたま私がライブに衝撃を受けすぎてガチ恋のようになってしまい勝手にねじれただけなのだが。
とにかくモノノフになる前の精神状態に一旦戻ったような心地だった。
もちろんももクロにお世話になった年月を否定するつもりなどない。
6年間ありがとう。
私はもう、たった一人の女性にしか興味がないから。
私の人生はそれでいい。
有安杏果さんさえいれば・・・。


そんな時に出会ったのが、ももいろクローバーZというグループだった。
まず、夏バカに連れて行く友達と共にももクリ2011を観ていたらあまりにも良くて好きになってしまったのだが、その余韻は長続きせずまたどうでもよくなってしまった。
その後、杏果が映っているのを見たくなり、7月12日に放送されたももクロChanの録画をふと再生した。
そこに映っていたのは、ホールツアーの舞台裏でキャッキャとはしゃぐ杏果とその仲間たちだった。
最初はなんの気もなしに見ていたのだが、段々と驚きが湧き上がってくる。
えっ!
なんなのこの子達!
あんなにも・・・あんなにも人柄が良くて、朗らかで楽しそうで、仲の良さが滲み出ていて、素の姿がテレビ的にも面白くて、それでいて真剣にライブをしていることも伝わってきて、そして全員の顔がどの瞬間も超ド級の美人で、かつ躊躇いのない笑顔の交換を自然にし続けているアイドル、芸能人、人間・・・。

私はももいろクローバーZが気になってきた。
でもまだよく分からないしそこまで踏み込めない。
そんな中杏果のツアーが終わり、秋に彼女の夢が沢山叶うことを知って泣くほど感動した。
ももクロに所属しながらでも、一年のうちにホール公演5回アリーナ公演2回とアルバム制作が出来るのなら、まあ全然良いじゃないか。
それで結構安心した。
次はバカ騒ぎと言うけれどそれはよく分からない。
まあメンバーのブログを読んだり。
嵐にしやがれを観たり。
そうして少しずつ、ももクロの魅力を掴んできた。
ももクロChanで見たあの5人のチーム。
只者じゃない。
私は凄い人たちに出会ってしまったのかもしれない。

そしてBLAST!のMVが解禁された。
7月26日、杏果のももクロ加入8周年の日。ももパワー充電所にお祝いを書き込んだ。ツイッターに書く気は起きなかったけれど。
MV解禁のLINE LIVEは見ようと思ったけれどだるくなってしまってやめた。
9時にYoutubeで解禁らしいし。
そして・・・

https://youtu.be/OlJ2IBf_Im8

えー!
なんだこれ!
もう単純にかっこよかった。
ももいろクローバーZはかっこよかった。
今が一番かっこよかった。
透けて見える未来もかっこよかった。
あんなに人柄の良い美女たちが、こんなにかっこいいアイドルグループを組んでいて。
その中に、決して端っこじゃない唯一無二のポジションに、杏果がいる。
これは凄いことだと思った。
このグループには杏果が必要で、杏果もこのグループに魂を懸けているというのがMVだけでも分かる。
私はももいろクローバーZを応援しないわけにはいかない。
応援したかった。
夏のバカ騒ぎに早く行きたいと思った。

それからはももいろクローバーZを知ることが面白くなった。
ツイッターなどは遮断し続け、ももクロに出会った頃のような感覚で一人ふわふわとももクロを追うのが楽しかった。
世界ふしぎ発見夏菜子を見て、この人はなんて面白くて美人なんだろうと思ったし、あさイチ夏菜子を見て、この人はなんて面白くて美人なんだろうと思った。
マンスリーAEの杏果のインタビューを読み、夏のバカ騒ぎに対する期待がマックスにまで高められた。Vol.1での経験がももクロの杏果にもたらすものの大きさを知った。余裕が出て、今まで以上に工夫を凝らしながらももクロライブを乗りこなす杏果が、これから先待っている。
やっぱり杏果が楽しんでいるグループなら、心から応援したい。

そして今日、杏果の新録インタビューを目当てに録画していた別冊ももクロChanを再生し、2015年のテレ朝夏祭りかなにかでの『Z』の誓いを観た。
ももクロのライブ映像をきちんと見るのは久々だった。
れにちゃん不在の『Z』の誓い、なぜか当時は見逃しており初めて観た。
泣いてしまった。
あまりにも良かった。
ももクロのライブはここまで良かった。
れにちゃんはいないけれど、れにちゃんの分まで戦うぞという強靭な意志を感じられた。
鋭い眼光と、心からの笑顔と、芯のある歌声と、息の合ったダンス。
最高だった。
ももクロはこういうことが出来るグループだった。
こんなグループにはもう私は出会えない。

今、ももクロのことが好きだ。
以前と同じ好きではないかもしれないけれど、むしろ今の方が新鮮で面白い気持ちだ。
もちろん杏果のこと、ココロノセンリツのことも変わらず愛している。
両方あって杏果だ。ならば、両方あって私だ。
ももクロのれにちゃん、夏菜子、しおりん、あーりん。私はあなた達が好きだ。かけがえのない存在だ。グループとしても個人個人のことも応援してる。
5人それぞれが活躍し、5人集まれば最強。そんな第一線に立つアイドルグループをいつまでも続ける。その夢、絶対に叶えようね。
今ならちゃんと心からそう言える。

ツイッターなどはしばらくあまり見ないようにしたい。
私がももクロを好きなのは趣味だから、広い知見も多様な価値観も不要というかむしろ邪魔で、私の気持ちだけに集中すればいいのだと気付いた。
私はちゃんと一人で、自分の気持ちに向き合って、一からモノノフをやりたい。こんなにも素敵なグループだから。
私はそういうスタンスでいれば無理なくモノノフを続けられると今は思う。

ももクロ夏のバカ騒ぎ、1日目しか行けないけれど楽しみにしている。それこそ初めて参戦する人のように。
もしやっぱりダメだなと思えばこれが最後のももクロ現場になるかもしれない。
どちらにせよ私用でしばらく行けなくなりそうではあるし、最後になっても悔いのないようにしっかり見届けたい。

でもやっぱり最後なんてことはなくて、私は新国立競技場に立つももクロを見たい。

今までもずっとそうだったけれど、結局ももクロに帰って来るのが私だ。
私がももクロの手を離せるとしたら杏果の力でしか無理なのだろうと今回一瞬思ったが、杏果はももクロだから結局それも不可能なのだ。そうなると、私をももクロから引き離すことは誰にも出来ない。
どんなに杏果愛に傾いたとしても、例えももクロ以外の誰かに骨抜きにされたとしても、私は一生、冗談抜きで一生ももクロを好きでいるだろう。

近況その5

結局Twitterに色々吐き出した。日記帳にも色々書いたし、机に転がっていた紙にもぐしゃぐしゃ書いたし、あと自分用にレポ漫画も描いていたのだが途中で止まっている。

漫画を読んだり映画を観たり人と話したりしながら"日常"の精神に戻りつつあるのだが、それでもその日常は、6月30日までの日常とは全くの別物に思える。
やっていることは同じで、立たされている状況も同じなのだけど、世界の全てが妙に輝いて見える。明らかに一度リセットされたような感覚がある。

あの日の景色や感動をはっきりと心に留め続けることは出来ない。
でもあの日、あの場所で、あの子の歌声を聴いたという事実は、私が忘れようと、私が死のうと、永遠に消えない。

近況その4

本当は、昨日のライブで見たもの感じたことを文章にまとめてインターネットに載せ、全世界に彼女の素晴らしさ恐ろしさを発信したいという衝動もあるのだが、ひとつのブログにまとめて発表したらそれが全てになってしまうような気がするし、細切れにツイートするのも中途半端に思えるし、かといって何も書かないまま時を過ごせば今覚えていることを思い出せなくなってしまうだろうから、やはりここはインターネットに公開するのを諦めて、自分の言葉をカオスのままで日記帳にしたため続けるのが一番良いのかなと思う。

エゴサーチの役にも立てないし、マーケティングの役にも立てないけれど、私からそんな余裕を奪い去ったのは杏果ちゃん、あなたなんだよ。

近況その3

最高の人生やで...

なにもかも全てうまくいった。昼食も済んだ。あとはオリックス劇場に戻り、その時を待つだけ。

全てを忘れたっていいから、未来の自分のことは気にしなくていいから、7月1日の午後6時からの数時間だけは、目の前に広がる世界を全て受け止めろ。全身を耳にしろ。感じろ。楽しめ。泣いたっていい。泣かなくたっていい。音の魔法に身を預けろ。

行ってらっしゃい自分。
さようなら、Vol.1の手前側の自分。

杏果ちゃん、見守ってるで。楽しく歌ってな!

近況その2

昨日軽く熱が出てしまって大変焦った。風邪薬や水分やビタミンや乳酸菌や睡眠を大量投入した結果なんとかなった。今も微熱はあるけれど明日には必ず下がるだろう。下げる。

ペダルの写真は一応用意できた。勝負の一枚!というようなガチガチの写真ではなく、たまたま撮れた一枚にした。その時の自分の気持ちがペダルに一番近い状態だったから、それで良いのだと思う。

情報統制は順調に続いている。ももパワー充電所を覗きたい衝動に駆られることもあるが、ここまで来たら何も見ずに臨むしかない。6月23日以降の世界線の杏果ちゃんを一切見ないままで明日初めて会いたい。

そもそもなぜ情報統制をしているのかというと、ネタバレを恐れているのは確かだけれど、他人の感想や熱量を一切吸い込まない真っさらな心のままで挑みたいからというのが大きくて、それは舞台「幕が上がる」の時の反省を生かしてやっている。簡単に言えば、「良かった」という一言すら見たくない。先入観はゼロに近いほど好い。

大げさだろうがなんだろうが、自分にとって大切な公演に対して取る態度は自分だけが理解出来ればそれでいい。オタクの数だけやり方がある。私は今日からしばらく連絡手段を遮断するし、明日からは完全に全ての情報や刺激を遮断する。道で話しかけられても無視。集中!

長い一週間だった。長い一年間でもあった。それがいよいよ明日。今杏果ちゃんがどうしているか、体や喉の調子はどうか、全く知らないけれど、公演中止のメールでも来ない限り、明日オリックス劇場に行けば杏果ちゃんに会える。今の私にとってはそれが全てだ。

そういえば「大阪初日に一球入魂!」と言いつつ悪あがきで東京公演のマッチングに申し込んでみたが、当選の可能性は極端に低いというかほぼ無であるため脳内から消去する。一回性を大切にしよう。どちらにせよVol.1大阪初日公演はこの時空間においてたった一度しか開催されないのだし。

杏果ちゃん、明日愛に行きます。お互い今夜の入眠がうまくいきますように。