杏果作詞して!続編 〜 #有安杏果ANNR 〜

前編→http://mcz1016.hatenablog.com/entry/2016/06/13/231525

(内容を振り返ると、「杏果作詞して!」。以上だ。)

 

6月12日午前3時からの2時間を、生涯忘れることはないだろう。

ついに始まった有安杏果オールナイトニッポンR。真夜中に生放送で杏果の声を聴くドキドキ感、それを大勢のモノノフと共有しているワクワク感、いよいよ曲が公開されることへの期待と少しばかりの焦り。色んな感情が渦巻く中、その瞬間は思いの外早く訪れた。

 

早速曲を流しま〜す。(と言ったかどうか覚えてはいないがそんな感じだろう)

 

え???

 

ええ???

 

い、今???

 

なんか、4時くらいちゃうの???

 

始まったばっかやで???

 

ギターで作曲してうんぬんかんぬん〜Aメロの「大事な」をどうするかで1日中うんぬんかんぬん〜

その曲を今流すと言う。

 

覚悟もなにもさせてくれないのだ。もう行くしかないのだ。

正直少しだけ不安だった。あれだけ期待してきてもし万万万が一期待外れの曲だったら、どうやって受けとめよう。どうやって絶賛しよう。一度聴いてしまったら、おしまいじゃないか。

なんて。

あとは素直に、大きな夢が叶うことへの緊張感で一杯だった。

 

いよいよ曲が始まる。

覚悟を決めよう。

よし!

 

スタートラインに立って

空向けて手をかざして

始まりの予感

あなたと感じたくて

目の前に散らばる

音の魔法のカケラを

一緒に浴びていこうよ

Ah feel a heartbeat

 

・・・・・・

 

完敗だ。

 

この時点でもう、分かった。分かりきった。

これはやばい。

杏果の言葉が、杏果のメロディで、杏果の声に乗って、心に直接届く。

今まで体験したことのなかったそれは、あまりにも凄いものだった。凄いとしか言えない!

 

「feel a heartbeat 」全てが杏果に満ちていた。全ての言葉が嬉しかった。横浜アリーナの景色がもう見えた。涙が出るというよりは、涙すら出ない号哭という感じだった。何を言っているのか分からないが、とにかくそうだった。

ずっとずっとずっと夢見てきた瞬間が現実となった。夢の何十倍も素敵な現実だった。期待外れだったらどうしようなんて杞憂オブ杞憂だった。作曲も素晴らしすぎて驚いた。身動きが取れなくなった。

 

杏果は流石ラジオの申し子で、やっと曲を聴いて貰えたことに興奮しながら面白いトークを繰り広げていた。

ごめん、正直全然頭に入らなかった。

待ってくれ。時間をくれ。ちょっとこれは無理だ。あまりの衝撃、あまりの感動。何も考えられないよ。

そんな私の心など待たず、杏果はすぐさま次の弾を撃ってきた。今度は・・・機関銃だ。

 

新曲、9曲あります。

録り終わった8曲を今日全部流します。

 

 

 

 

あ、死んだ

 

 

 

 

新曲が4曲だけだと、誰が言った?

確かに誰も言っていなかった。杏果はミューコミプラスで4曲分の作者を発表しただけだ。追加があったとしてもまあ1曲くらいで、全5曲かななどと信じ込んでいた私。アホ野郎!

流石に9という数字の威力は私の耳を貫き、さっきまで全然話を受けとめていなかった脳にちゃんと届いた。いやそれ以上に、今日8曲流すというのが衝撃だった。1曲でこのザマなのに、8曲って・・・。恐ろしかった。

杏果は8曲の作者を読み上げていく。[Alexandros]さん!?風味堂さん!?小谷さん(はそんなに知らなかったすみません)!?へ、へえ〜〜〜〜〜〜!と言いつつももうなんというかそれどころではなかった。わけがわからないよ。

 

そうこうしているうちに次の曲へ。

3年前に作曲出来る友達に出会って一緒に曲を作ったという「Catch Up」

最初のフレーズを聴いた瞬間、ああこれモノノフに向けた歌だ・・・と胸が一杯になった。実際に曲終わりに「これはモノノフさんを想って〜」と説明された時本当に嬉しかった!これも全て杏果の言葉だ。日々エゴサをしている杏果だ。そして曲が・・・めっちゃ良い。なんてことだ。普通に例えばMステに出ていてもおかしくない出来だ。杏果・・・!

あまりの感動にもはや精神が遠のきそうになった。2曲目もこんなにやばいものなのかよ。最後まで聴いた時私は生きているのか??

 

3曲目、「ペダル」

完全に杏果が一人で作詞も作曲もした歌だ。

杏果の心の少し暗い部分、負けそうになる弱さ、それでも強く在ろうとする信念、明るく駆けていく爽やかさ、自分を貫いていく意志、そんなものがギュッと詰まった、杏果の歌だった。全ての言葉が好きだと思った。多分私は死ぬまでこの曲を愛するだろうともう確信した。

そして杏果が鼻歌で作曲したというこのメロディー、えげつなく良かった。唖然。あり得ないレベル。もはや怖い。はっきり分かってしまった。

杏果は作曲でも天才だった!

 

4曲目、「心の旋律」

タイトルを言われた瞬間うわあああと発狂しそうになった。ココロノセンリツ!!!ライブタイトル!!!まじか!!!

 

あの夢は叶わない

あの子にも敵わない

 

第一声、そう歌われた瞬間心臓をギュッと握りつぶされたような気がした。

杏果が、そんな歌詞を。

特に"あの子"には鳥肌が立ってしまった。真意は分からないがこれを聴いた瞬間にパッと一人が思い浮かんでしまったのだ。よく考えると流石にそれはないのかという気もするため書かないが。

 

この曲は、杏果の願いそのものだ。杏果の心の旋律だ。

歌いたい 歌いたい

ブワーーーーーっと鳥肌が立った。これほどまでに有安杏果な曲がどこに在ろうか。

もう限界だった。

 

楽しいトークも挟みつつ5曲目「Drive Drive」へ。

この頃にはキャパオーバーで瀕死だったが頑張って聴いた。

この曲、めちゃめちゃ良い。めちゃめちゃかっこよくて今聴くとサイコーすぎるのだが、正直この時はおお!と驚くばかりでピンとこなかった。

杏果が自分で紡いだ言葉の衝撃があまりにも大きかったせいだ。

この後続く提供曲、曲自体も歌い方も最高なのだ。6曲目「裸」は大人な新境地で、7曲目「愛されたくて」はジャジーで可愛らしい新境地。大変びっくりした。

でも、杏果の言葉を1ミリも残さず拾おうというモードに入っていた耳では、音楽として上手く聴けなかった。勿論今聴くと最最最最最高の3曲だから、またきちんと感想を書きたい。今回はあの日の記録を未来の自分に残すという意味でここまでにしておく。

 

夜が更ける、というか明けていくにつれ、段々とハイになってきた。

最初は頭が混乱してまともに聞けていなかったトークも、きちんと楽しめている。

アコギで即興で歌を作るコーナーは圧巻だった。そんなことも出来てしまう杏果が誇らしい。

 

空は明るい。放送の終わりが見えてくる。そしてついにこの日ラストとなる8曲目、「Another story」の番が来た。

もう分かっていた。次の曲は宮崎誠作曲だ。宮崎誠さん、アニオタとして知っている曲ばかりを手掛けていらっしゃり、ミューコミプラスで名を発表されてから狂ったように楽しみにしてきた。ついにその時が、来る。

 

 

・・・・・・

 

 

・・・・・・

 

す、

 

凄い

 

 

杏果の本音が心に流れ込んできた。宮崎さんの秀逸なメロディーに乗って。

この歌詞は流石に、やばい。この時の、言葉が心に刺さった跡は、永久保存版だ。

そう。こういうことだ。これなんだよ。

 

杏果が作詞をしてくれて良かった!!!

だから言ったんだ杏果作詞してと!!!

 

 

ああ、嬉しい。

生きてきてよかった。

番組も終わり際、CMの間、今までにないほど幸せな気持ちになっていた。

杏果を誇りに思う。

杏果を応援してきて良かった。

ありがとう杏果。

 

とこのまま昇天してラジオが終わるかと思っていた。甘かった。

CM明け、声の響きが違う。ニッポン放送のロビーに場所を移動しましたと言う。どういうこと?と聞いていたら

 

アカペラで歌います

 

 

 

チーン

 

あっしぬ

 

まさかのアカペラで「心の旋律」だ。全身を耳にして聴き入った。

 

あの夢は叶わない・・・

 

・・・

 

いや

 

いや

 

 

いやいや

 

 

 

素晴ら

 

素晴らしい(号泣)

 

ロビーに響き渡る伸びやかな歌声、力強くぶつけられる「歌いたい」の叫び、朝5時、2時間のラジオ後、アカペラ、一切ぶれることのない歌唱、細やかに効くビブラート、全ての感情を電波に乗せ切り、リスナーの耳元に流し込むような、圧倒的で、美しい、心の旋律だった。

 

有安杏果

 

という、唯一無二のシンガー。

その存在ごと、永遠に刻みつけるような、そんな気迫を感じた。

 

もっと単純に言えば

 

歌うまっ!

 

音源を聴いていく中で、いつも聴いていた杏果の歌声より高くて力が程よく抜けていて自由な伸びやかさを感じるなあと、変化を感じていた。それは明らかな進化であって物足りないということもないのだが、もともと杏果といえばもっとドン!というイメージがあった。

アカペラでは、進化はそのままに、芯からドン!とした神々しい圧倒感も十分に放たれていた気がする。なんというか。ちょっとレコーディング版の杏果に失礼な気もするが、そうではなくてなんというかまあとにかく生歌は最高。

とりあえず本当に素晴らしい歌唱だった。杏果はついにここまでの次元に来てしまったのだ。というかこれを横浜アリーナで聴けるとはなにごとだ。

 

心の旋律に打たれ、呆然としているうちに惜しむ暇もなく放送は終わってしまった。あ、ば、バイバイ!?といった感じで。

杏果の言葉が、杏果の想いが、ぐあーーっっと胸の中を渦巻き続けている。

真っ先に録音を整理しながら、しばらくそうしていた。

それから自然と眠りに就いた。

 

目が覚めた時、ああ、なんて幸せな明け方を過ごしたのだろう、と真っ先に思った。

杏果と一緒に夜更かしをし、ハイになり、曲の初公開に興奮し、ライブへの思いを募らせ、というあの時間こそが大切な思い出になったのだと気付いた。

今まで味わったことのない世界がそこにあった。あの2時間を区切りに世界は完全に変わってしまって、今私は新しい目覚めにいる。

大きな夢が叶った翌朝。これからの世界は杏果の歌と共にある。そのスタートラインが6月12日の明け方だった。私は忘れない。ずっと忘れない。杏果作詞して!と願っていた日々も、決して忘れない。